【第104回薬剤師国家試験】クッシング症候群とクッシング病

どーも、病院薬剤師のひゃくさんです

初投稿は第104回薬剤師国家試験問180のこの問題について。

問題を解いていない人は、ネタバレになるので先に解いてから見てください~

画像1

近年の薬剤師国家試験では考えさせられる問題、応用力を問われる問題が多く出題されている傾向にあるみたいですね。考える問題ってどんな問題なんだろうと思った時にこの問題を見つけたので、存分に考えていきましょう。

この問題は文章量は多いですがポイントを押さえれば結構簡単な問題で、「丸顔と中心性肥満」「二次性高血圧」「下垂体腫瘍」「両側副腎の腫大」のキーワードでクッシング病を疑えれば勝ちです。

ここまでくれば解答が1のコルチゾールと5のACTHであることが分かりますね。

まぁ、こんなことを書いても薬剤師国家試験の解説書にはすでに書かれてあるので、ここから少し掘り下げてみることにします。

まず「クッシング症候群」と「クッシング病」は分けて考えないといけません。「クッシング症候群」の中に「クッシング病」「副腎皮質腺腫」「異所性ACTH症候群」の3つがあるのです。

今回は「クッシング病」であったためにACTH上昇という解答を導けましたが、同じ「クッシング症候群」でも他の「副腎皮質腺腫」「異所性ACTH症候群」ではACTHは低下するので注意が必要ですね。

「丸顔と中心性肥満」「二次性高血圧」→「クッシング病」ではなく「クッシング症候群」ですので間違えないようにしてください。言葉って難しいですね・・・

「丸顔と中心性肥満」「二次性高血圧」を見て、ステロイドの副作用を思い出した人もいると思います。「クッシング症候群」は糖質コルチコイドが増える病態です。ステロイドは合成糖質コルチコイドなので、これを投与している患者には「クッシング症候群」と同じ症状が出ることになります。

ちなみに全く関係なさそうに書かれてある2型糖尿病ですが、これもまた「クッシング症候群」による糖新生亢進の影響が考えられますので、勉強する人はここまでおさえられるといいですね。もちろんステロイドの副作用にも高血糖があります。

この様にいろいろ関連付けて覚えていくと、覚える手間や覚えやすさが格段と上がると思うので、得た知識はどんどん関連付けていきましょう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?