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免疫を高める方法(コロナウイルス対策)

コロナウイルスでの健康被害を最小限に抑える上で、極めて重要な時期であると厚労省から発表がありました。

手洗い、咳エチケットなどの徹底、風邪症状があれば外出を控えるなど、感染予防に努めておられると思います。厚労省のサイトも添付してます。

それ以外で、感染予防で大切になってくるのが自己免疫を高めること。

そこで、今回は免疫を高める方法についてまとめてみました。

笑う

「笑う門には福きたる」という言葉があるように、笑いはリラックス法として非常に有効であることが科学的に証明されています。

吉本興業の「なんばグランド花月」で、がん患者を含む19人(20~62歳)に漫才、漫談、吉本新喜劇(計3時間)を鑑賞してもらい、その前後でどう変化したかを研究したものがあります。

血中のNK細胞の活性度や免疫システムのバランス力(CD4/8比)の変化を調査。

NK細胞は、natural killer細胞と呼ばれ、文字どおりの殺し屋。全身をパトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃するリンパ球です。

バランス力とはCD4とCD8の比率で、CD4は車のアクセル、CD8は車のブレーキの役目。低いと抵抗力が弱く、高すぎると自己免疫疾患(自分自身の体を破壊する病気:リウマチなど)になりやすくなります。

これらがお笑いでどう変化したのか。

調査の結果、NK細胞の活性度は参加者の7割以上で向上、バランス力は基準値よりも低すぎる人は高く、高すぎる人は基準値の方向へ低くなるという傾向が示されています。1)

とにかく1日に1回は声を出して笑ってみる。これが結構大事。

運動

運動は激しくやればやるほど免疫がつくというものではありません。

例えば、激しいトレーニングをするアスリートは、普通の人より風邪などの感染症にかかる頻度が数倍も高いことがわかっています。

フルマラソン競技終了から2週間以内に選手の5〜7割にカゼの症状が出るという報告もあるほど。

ただアスリート並にはやりたくないし、そもそもできない。

運動がいいことだとは誰しもが知っていること。

では適度の運動というと、どのくらいなのか。これは結構永遠のテーマでもあります。

その中で、今回紹介するのは、介護予防における研究。これは、様々な研究結果から統計して、総実施時間を判断したものです。

その結果、総実施時間が25時間以上(概ね1年以内)となるように設定することが提唱されています。2)

ということは、週1回1時間を半年間。もしくは、週1回30分を1年間、続けることからスタートすれば良い。

そう思うと運動も始めやすいのではないでしょうか。

楽観性

最後は、楽観的に過ごすことが大事ということ。

「なんくるないさ〜」

この言葉は、元々は「真(まくとぅ)そーけーなんくるないさ」という定型句を構成する言葉だそうです。

その意味としては、
「真そーけー=(人として)正しい行いをしていれば」

「なんくるないさ=自然と(あるべき様に)なるものだ」

という意味。成るようにしか成らない。

この楽観的思考はすごく大事だと研究結果からも判明しています。

59人の健康な男性(18~30歳)に対して、免疫刺激のためのワクチンまたは生理食塩水を投与した後に、30分間休養または心理ストレスを与える作業を行う群に分けた研究があります。

その結果、楽観的思考の人は、心理ストレスにさらされても、ワクチンの抗体価が高まっていることがわかりました。3)

ただ楽観的思考かどうかを、どう判断するのか?

最後に気が向いた方は、以下の方法をやってみてください。

LOT-R(Life Orientation task-Revised):改訂版楽観尺度

Good luck でございます!!

1)伊丹仁朗ほか:笑いと免疫能. 心身医学. 34(7), 565-571,1994.
2)荒井秀典ほか:通いの場に関するエビデンス.一般介護予防事業の推進方法に関する検討会
3)C. M. Parianteほか:Brain Behav Immun.;23,810-6,2009



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