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地域と大学の連携プログラムにお邪魔しました!

12月3日~5日に岩手県陸前高田市で開催された、陸前高田市と法政大学とのSDGs連携協定に基づくワークショップのフィールドワーク(以下、FWと省略)にお邪魔させて頂きました。その様子をレポートをさせていただきます!

そもそもの経緯

私自身に陸前高田市とご縁があったわけではありません。話は一旦私の妻のことになります。

私の妻は今年の6月に西粟倉村に移住してきたのですが、今年の5月末まで東京にある法政大学に職員として勤めていました。法政大学の在職中に陸前高田市と法政大学のSDGs推進連携協定に関わっていたこと、根っからの地域好き&学生好きなことから、退職した現在でも市と大学双方の御厚意でこの件に関わりを持たせて頂いています(ありがとうございます‼️)。

陸前高田市と法政大学のSDGsに関する動き

陸前高田市は、2019年7月に「SDGs未来都市」に選定されました。「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を掲げ、障害のあるひともないひとも、若者も高齢者も誰もが快適に過ごせる社会の実現に向けて取り組んでいます。

また、法政大学は2018年12月に当時の総長である田中優子総長よりSDGsステイトメントを発表し、法政大学ならではの貢献をプラスする「法政大学SDGs+(プラス)プログラム」を実施しています。

プログラムの趣旨と私の関り

陸前高田市と法政大学は、2019年12月にSDGs推進連携協定を締結しました。2020年10月から陸前高田市の事業者と法政大学の学生でチームを組み、SDGsの目標達成に向けた事業を共に考えるSDGsワークショップを実施しており、今年で2年目になります。

ワークショップは学生と市内にある4つの事業者との共同プロジェクトで行われています。プロジェクトの1つに村上製材所を中心とした「持続可能な山との暮らし」や「森林資源の利活用」をテーマとするグループがあります。

私はそのチームに対して、森林や林業に関するレクチャーを行ったり、参考となる文献や書籍に関するアドバイスを行うなどの関りを持ってきました。

ワークショップのなかで、学生から「実際に陸前高田市の山や林業の現状を学んで提案内容を考えたい」という意見があり、コロナ禍も一旦落ち着きを見せていたことから、現地でFWが実施されることとなりました。せっかくの機会なので、私も陸前高田市の林業関係の取り組みを視察させていただきたいと考え、今回のFWにお邪魔させていただくこととしました。(快諾くださった法政大学様、陸前高田市様ありがとうございます!)

いざ、現地へ!

今回は、西粟倉村-(自家用車)→神戸空港-(スカイマーク)→仙台空港へ飛行機で移動(約3.5時間)。

眼下は、日光上空付近。遠くに日本海も見えます。

仙台空港から陸前高田市まで、約2時間。

東日本大震災からの復興

2011年3月11日に起こった東日本大震災からちょうど10年。

陸前高田市に来たら、東日本大震災の復興状況を見なければと思い、高田松原津波復興記念公園へ。

奥に見える白い建物が「東日本大地震津波伝承館」と「道の駅高田松原」です。

当時は津波が押し寄せ、施設の横を流れる気仙川を遡上し、大部分が被災したとのことです。広大な土地が被害を受けたことが分かります。

「奇跡の一本松」も見学。2011年3月の東日本大震災の津波に耐えたが、塩害により2012年5月に枯死が確認された。現在はモニュメントとして保存整備されている。

FWが始まる!

今回のFWは林業の川上から川下を視察することを目的に、村上製材所の村上英将氏によりコーディネートされました。テーマは、「五感で感じる」です!

とりあえず山に行ってましょう!という事で山へ。

「実際にまず山を感じてもらいたい」という思いから、まずは山へ。間伐などがなされ手入れがされている明るいエリアと、枝打ちなどもされず、光が届かないエリアを比べて見ることができるところへ行きました。山に光が届くようにするためには、林道が必要で、林道を作るには所有者さんとの調整が必要で、、、と林業の複雑さを目の当たりにしました。

テーマ1:小規模な林業

陸前高田市の隣の住田町で主に活動されている、すみた山守育成プロジェクトの平林慧遠氏にアテンド頂きました。

平林さんは、農繫期は、しもありすマンふぁーむの農園主として農業を、農閑期は、すみた山守育成プロジェクトをされております。

今回は、広田湾で使用される牡蠣筏用の丸太の造材をお手伝いさせて頂きました。

指導頂きながらチェンソーを使用。ヘルメットとチャップスは必須です!

テーマ2:大規模な林業

株式会社 畠山林業の畠山晃男氏にアテンド頂きました。

主に親子2人で施業されている素材生産事業体で、皆伐メインでだいたい7,000m3/年の素材生産をされているとの事!しかも重機やトラックを19台(!!)も保有しているとの事で驚きました!

プロセッサによる造材、グラップルとフォワーダへの積込デモをして頂きました。

ここの現場は、フェラーバンチャザウルス×1、ウインチ付きグラップル×3、プロセッサ×1、フォワーダ×1を使用して伐出しているとのこと。西粟倉村内で主に使用している重機より全体的に1まわり大きい重機を使用してました。

ここの現場は8ha位との事(見えない山の反対側も施業範囲)

テーマ3:製材業

村上製材所の村上英将氏にアテンド頂きました。今回のFWの中心人物です!

陸前高田周辺は、「気仙スギ」という地場産材のスギの産地であるため、スギを中心に製材をされています。

山から伐り出され、製材前の丸太。

実際に製材をしている様子を見せて頂きました!

帯鋸の製材機で木を見ながら製材していく。
製材されたスギ板

製材したての材は、まだ含水率が高いため、手で触れるととてもしっとりしているのを感じます。

ここから乾燥や加工の行程が発生します。

テーマ4:木工業

元地域おこし協力隊で陸前高田市に移住した平山夫妻にアテンド頂きました。

旦那様は主に林業をされており、奥様は主に木工をされております。最近の大きな製作は、道の駅高田松原の食堂のパーテーションも作られたそうです!

引用:https://www.facebook.com/photo?fbid=3002875353147416&set=pcb.3002888433146108

ちなみに、気仙地方には気仙大工と呼ばれる、民家の建築から寺院造営、建具、細工もこなす多能な集団がいたとのことです。昔から大工文化のある地域は、技術が蓄積されていてうらやましいです!

元馬小屋を改装して工房にしたそうです。
学生さんは初めての薪割り体験もさせて頂きました!

FWをとおしての振り返り

今回のFWの行程は以上になります!

テーマであった「五感で感じる」を体現できたFWだったと思います。今回の体験は、東京では勿論、単に地方に行ったから体験できるという事でもない事尽くしであったと思います。私個人的にも良い経験になりました!

今回のワークショップの活動は、年度内続くとのことなので、成果がどのようにまとまるのか私も楽しみにしてます!

(室岡郁馬)


この記事は、百森 Advent Calendar 2021の19日目です。

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