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懐かしき京浜急行

西粟倉に移住してまだ1年目なのですが、すっかり車移動にも慣れ、それに比例して運動量は減っております。暖かくなったらお散歩もするのだけど、という言い訳を添えておきます。

西粟倉に来る前は神奈川県の東側に住んでおり、実家の車はずいぶん前に廃車にしてしまったため、移動手段はもっぱら電車。人口が多い分JR以外にも路線が多い神奈川県ですが、私が日ごろ使っていたのは『京浜急行電鉄』、京急の名で広く親しまれている路線です。

増結の瞬間

直前で一時停止して徐々に連結する!乗車している列車が増結するときは少し揺れる!ふぅ~!

大きな駅ビルがあるわけではないものの、車両基地があるため10分に3本の頻度で電車が入れ代わり立ち代わり停車する最寄り駅「金沢文庫」は、普通電車と快速の待ち合わせや増結車両の連結、「当駅止まりの列車」「当駅始発の列車」が見られる大変エキサイティングな駅でした。

停車駅、目的地が異なる5車両

京浜急行には基本
・普通
・エアポート急行
・特急
・快特
・エアポート快特
の5つの区分があり、私の最寄り駅を通るのは上の4つ。エアポート快特は泉岳寺・品川~羽田空港間で空港へ行くのに特化した車両なので私の日常生活にはあまりなじみがありませんでしたが、通学で品川を経由していた私は自分が乗ることのない全然停車しない電車…という目で過ぎ行くエアポート快特を眺めていました。

最寄り駅では10分に3本の電車が停車すると書きましたが、京急には上下線共に1車線しかないため、普通・エアポート急行の待ち合わせが頻繁に発生します。 一番その割を食う印象があるのは南太田駅。普通電車はエアポート急行、快速の2本が過ぎ行くのを見届けてからの発車となります。良いこととしては、南太田駅乗車の人は発車まで車内で待てるということでしょうか。

個人的には逗子線の終点、逗子・葉山駅(旧新逗子駅)での折り返し運転もおすすめ。停車した電車は10分後の折り返しの発車までドアを開けて待っていてくれます。発車までのんびり車内で待てる、というシチュエーションが好きなのかもしれません。

他線との直通運転

京浜急行の名の通り、東「京」と横「浜」をつなぐ路線ですが、他線との直通運転によって千葉県まで一本で行けます。乗り入れている路線は 都営地下鉄の1つである「都営浅草線」 成田空港に向かう「京成線」 日本で一番運賃が高い路線の一つ「北総線」 日本で一番短い路線「柴山鉄道線」 の4つ。

通学で京急を使っていた時は品川で乗り換えだったのでそれ以北はほとんど使っていませんでしたが、都営浅草線には蔵前や浅草など私が好きな雰囲気の下町駅があったのでたまに遊びに行っていました。

また京成線は都営浅草線を経て直通しており、祖父母の家が京成線沿いにあったこともあり、年に1回ほど利用していました。都営浅草線の長い地下鉄を超えて地上に再び出たときには、最後見た品川の青いビル群の景色からちょっと落ち着いた住宅街の景色になり、いつもちょっと浮きだった気持ちになってしまいます。

レトロなカラーバリエーション

その乗り入れも要因で京急線には色々なカラー、形の電車が入線してきますが、京急の車両のカラーバリエーション的には基本的に以下の3つ。

まずはこちらの赤。『形』によって見た目に違いが見られますが、基本的にはレトロさを感じる赤にクリーム色が配色されたツートンカラー。

そして2つ目、3つ目の特別塗装された『京急ブルースカイトレイン』と『京急ハッピーイエロートレイン』。この2色は運行本数が少ない(青2本、黄色1本)ゆえに見れると「いい日だなあ…」という気持ちになります。

原色を基調とした電車ですが、けばけばしさが無く、ブルーとイエローについては側面にクリーム色のラインも入っていないのでめちゃくちゃシンプル。それでいてプラモデルようなかわいさ、ジオラマ感を感じます。

プラレールが町を走る!という気持ち

内装もそれぞれ…!

車両の「形」「番」についてもともと知識はなく今回このnoteをきっかけに調べて記憶と一致したという感じなのですが、内装や椅子の配置などはいくつかバリエーションがありそれにも好みがありました。細かい仕様については存じ上げないので京急好きを名乗るにはまだまだ修行が足りませんが、少しお話しさせてください。

1500形

まずこちらが1500形。調べるとこの1500形の中でも制御装置による違いがあるらしいのだけど、それは今初めて知りました。この1500形は各駅に停車する普通電車が多い印象。京急で一番短い4両編成もこの形に含まれるようです。古い車両だと椅子がビロード生地の上、体重をかけるとぐっと沈み込むような座り心地で一番「揺られている」感を味わえた記憶があります。 車両の塗装も、赤じゃない部分がクリーム色でなくて白色なのは1500形だけだったはず。

1000形

今回調べて一番驚いたのですが、「見た目も内装違うなあ」と感じていた車両たちが実は同じ1000形だったこと。確かに顔に共通して1000とは書いてあるのですが、同じ1000でも結構違うので違いを覚えられなかった記憶があります。何が違うのか順に見ていきましょう。

新1000形(アルミ車)

個人的には定番中の定番、安定、という印象。 3ドアで車両の端はクロスシート(2人掛けのシートが向かい合っている形)、それ以外は窓に沿ったロングシートとなっています。私はこのクロスシートの、進行方向に対して左側の窓側、それも進行方向と逆側に座るのが好きでした。対向車で景色が遮られることもないし、景色は自分から遠ざかっていく方に流れていくので目が疲れないのです。通学の時に幸運にもその席に座れると、1日出だしが最高です。

新1000形(ステンレス車)

京急の車両の中で一番メタリックで近未来感がある印象。逆に言うと京急らしさが少ないということで、私は若干の苦手意識があります。この車両は全席ロングシートで、私の大好きなクロスシートがないというのもその苦手意識の理由の1つ。ロングシートって収容力がクロスシートより高いので特に通勤時間帯には好まれるのですが、景色を見るにはがっつり後ろを振り返らないといけないので、隣の人にはすごく気を遣います。

新1000形(貫通形・1800番台)

新1000形(ステンレス車)に対する私の苦手意識を持つ人がほかにもたくさんいたからか、車体側面にもフィルムによるカラーリングが施され、より「赤い電車」のイメージを高めた車両。内装は新1000形ステンレス車と同様らしいが、この写真をよく見ると分かる通り先頭車両にドアがついていて、この4両単独での運用はもちろん、幌を装着することによって4両同士で連結した車両間を行き来する(=貫通)こともできるそうだ!そうすると他線への乗り入れができるそうだ!4両単独だとできないのかな?その辺は詳しい方いたら教えてください。

新1000形(16次車)

HP上ではマイナーチェンジ車両と書いてあるが、割と最近の2016年にこれが出てきたとき内装がスタイリッシュで結構驚いたものです。

車両両端が片方がクロスシート、片方がロングシートとなっていて、クロスシートにはコンセントがついています。ロングシートの端の仕切り?みたいなやつも透過性があって、ドアの上の案内表示も液晶になって、ちょっとそわそわしました。

こんな感じ。

この4つがこんなに違いがあって1000形とくくられているのだから、そりゃあ「あれ、こんなに違うのに同じ1000なの?」と覚えられないのも納得です。これを書いてようやく理解しました。 さて、まだまだ続きます。

600形

これも京急の象徴のような車両と勝手に思っています。もともと3ドアで全面クロスシートを採用していたようですが、クロスシートは収容力が高くなく、都市部への通勤通学で多く使われる京急にはあまり適していなかったようで車両両端以外はロングシートに変更されました。新1000形(アルミ車)と同様の座席配置ですが、窓に縁があり固定式でないところが違いです。

2100形

通学するときにこれが来たらテンション爆上がりの車両。それもそのはず全面クロスシート!新幹線のような座席配置なのです。景色を見るのが楽しみな私にとっては「座りたい」と「景色見たい」が高確率で両立できる大変ありがたいものだったのです。600形と異なりこちらは2ドアのためクロスシートでも支障が少なく、乗車した時のうれしさを優先したものと思われます。ちなみに私の父はロングシート派なのでこれが来てもあまり嬉しくはないそう。人によりけりですね。 帰宅ラッシュ時にはたまに品川で空の2100形が増結されます。1本見逃して増結車両の列の先頭近くで待っていると必ず座れるという、素晴らしきご褒美を手に入れることもできたのです。おまけに日よけは1窓1つの上下式のブラインドではなく個々にカーテン。ほかの人の「日差しを避けたい」に遮られることなく景色をみることができる。最高な設計です。好き!

長くなってしまいましたがまだしゃべります。

止まらない遊び心

京急はたくさんの楽しいことを打ち出していますが、他の路線ではやっていないのでは?というコラボの仕方をしています。

それが人気作品を期間限定でコラボする企画。でも、コラボと言ってもグッズを出すとかのレベルではありません。

例えばこちらの 京急 × リラックマ。
まず電車を丸々ラッピング、めちゃくちゃかわいい。普段アニメやキャラクターにほとんど興味を持たないで生きていますが、これは結構心を奪われました。これ先頭だけでなくがっつり編成1つまるごとラッピング。全貌は画像下のリンクを見てみてください。

モデラ―な日々より

それに合わせて駅名も変えてしまうのです。

これはグッズのマグネットの画像ですが、グッズで済まさず実際の駅名表示も変えてしまいます。

鉄道新聞より
鉄道新聞より

快速では金沢文庫駅の隣の駅である上大岡駅、よく利用していたためこの期間は駅を見るのがとても楽しかったです。

そしてリラックマのみならず

北斗の拳や

京急電鉄

ワンピース

京急電鉄

ほかにもすみっこぐらし、SEGAなどともコラボし、ファンはもちろん毎日使う人も楽しませる、私鉄ならではの暴れっぷりがとても好きなのです。

思ったより京急好きでした

離れて思うのは私はけっこう京急好きだったなあということ。京急やJRなど十何両の電車が数分おきに来る環境にいた時は、西粟倉を通っている智頭急行のようなゆったりした1~2両編成の電車がうらやましいなあと思っていましたが、いざその車両が身近にいると住宅街をぐおんぐおんいわせて駆け抜けていく京急が懐かしくあります。

人は多いし揺れるし音声案内がうるさいし電光掲示板がまぶしいし、冬は乗り換えのたびにホームに風が吹きすさむので当時は毎日気合を入れて通学していましたが、それでも愛着はわくもので、電車は「帰宅」を連想する素敵な思い出です。

参考
京浜急行ホームページ

(清水美波)


この記事は、百森 Advent Calendar 2021の16日目です。

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