Life of Blue 『Forever Future Festival』ライブレポート

 雲のほとんど無い青空の中、心地の良い涼やかな風が優しく吹いている。確かな秋の気配を感じさせるまだまだ明るい夕刻前の『Forever Stage』に登場したのは、Life of Blue。このフェスには実に4度目の参戦で、「常連」の雰囲気も既に醸し出していた。

 彼らのライブではお馴染みの登場SEが鳴り始めると、音楽に合わせ観客も手拍子を打ち始める。その手拍子に迎えられて登場した4人の表情は明るい。SEの終わりと共に観客の一際大きな歓声が響くと、その高潮に載せるように挟み込まれた久我健太郎(Dr)の短いスティックカウントから、アップテンポナンバー「ドリームランドへようこそ!!」になだれこむ。テンションの高い曲調で、会場の雰囲気も更に高まっていく。ジェームズ・ハウアー(Gt)と椎名秋平(Ba)のハイレベルな掛け合い、それを支える久我の確かなグルーヴ、それに載せられるのは風島清景(Vo.Gt)のどこか落ち着いた歌とギター。確かな実力から繰り出されるロックでポップなナンバーはすぐに観客と会場を呑み込み、掌握した。
 「こんにちは、Life of Blueです」
 風島の穏やかな声の簡素な言葉を挟んで繰り出されたのは彼ら自身を表す大切な一曲、「ライフオブブルー」だ。疾走感あふれる彼らのハーモニーがノスタルジックな情景を描きだす。デビュー前、彼らの結成当時から演奏しているというこの曲には貫禄すら感じてしまう。演奏する4人の表情にも頼もしい余裕が見て取れた。

 続けて披露されたのは「RUN!!!」。これまた明るいアップテンポナンバーの登場で観客を大いに揺さぶる。人気も高い楽曲の登場に会場が大いに沸き上がり、ボルテージは更に上がっていく。次曲「ナツノクモ」は彼らの夏フェス定番曲。深く澄んでいる青空と遠くに見える入道雲が最高のロケーションを作り出し、楽曲の解像度を何倍にも引き上げる。爽やかなギターリフに乗せる風島の声が熱を帯びていく。
 
 短いMCを挟んで、次に披露された「街呆気」は打って変わってスローテンポなナンバー。メロウな音を繊細に奏でるジェームズのギター技術は正しく最上級のもので、それに合わせる3人の技術も申し分ない。会場中が聴き入り、ステージに釘付けになった。一転、スローテンポから繰り出されたのは深く歪んだダークな音色を使った椎名の圧巻のベースソロ。そこからさらに短めのセッションを挟み、繋げて披露されたのは「Time Keeper」。後半戦を告げるような激しさを持つ楽曲だが、中でも椎名のメロディアスにうねるベースラインがとにかく観客を引き上げていく。緩急を自在に操り、会場を掌握する演奏をしてしまう彼らの技術に脱帽だ。
 
 「この前出した新曲やります!」
 ラストに差し掛かり、最高潮の会場に叩きつけるように披露されたのは最新楽曲「スカーレットの衝撃」。彼らが何度かタイアップしている人気アニメの主題歌として再び起用され、既に大注目の楽曲の登場にこの日一番の歓声が会場に響いた。この上なく高品質で強固なバンドアンサンブルと傾き始めた日の情景が最高にマッチし、会場全体を圧倒する。
 「ラスト!」
 ギターのフィードバック音を背に風島の覇気のある短い掛け声とともに披露されたのが、この日のラストナンバー「Blues Traveler」。Life of Blueにとってはライブ定番曲にして、キラーチューン。そして、更には前曲「スカーレットの衝撃」とは同じ作品の最初の主題歌であったという、いわば先輩後輩の関係のある楽曲で、会場のファンは思わずニヤリとしてしまう。キレのある迫力の演奏で会場を包み込む。

 「ありがとうございました!また次の曲、次のライブ、次のアルバム、次のツアーで会いましょう!Life of Blueでした!」
 いつもの挨拶で全8曲のステージを締めくくり、印象的な明るい表情で舞台を去っていくLife of Blueの4人を、観客は大喝采で見送った。
 
文=笹山文弘

◇セットリスト
1.ドリームランドへようこそ!!
2.ライフオブブルー
3.RUN!!!
4.ナツノクモ
5.街呆気
6.Time Keeper
7.スカーレットの衝撃
8.Blues Traveler
 


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