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キモノノキホン・単衣

着物をお持ちの方、始めて間もない方も袷の着物を中心にそろえている方が多いのではないでしょうか?

しかしながら近年では温暖化の影響もあり袷の着物では暑く感じる時期も。
そんな時期に重宝されているひとつが「単衣の着物」です。
今回は単衣の着物について簡単にご紹介いたします。


“単衣”の着物とは・・・

袷・単衣・夏物などの言葉を耳にすることがあると思いますが、単衣とはどのようなものでしょうか?
ここでキホンをチェックしましょう。

【村上】エディタ用画像_2 (57)

●着用時期:6月・9月
基本は1年を通じて2か月のみという短い期間に着るものですが、近頃は気候に応じてもう少し長く着ていることが多いです。
お茶会などの正式な場では基本的な着用時期に合わせて選びましょう。

●裏地を付けない着物
以前ご紹介した袷の着物は【胴裏・八掛】といった裏地を付けて仕立てていますが、単衣の着物はそれらを付けずに仕立てたものです。
(袷についてはコチラ✿)

場合によっては『居敷当て(いしきあて)』と呼ばれる布を付けることがあります。
これはお尻のあたりの補強としての役割がありますが、必ずしもつけるものではありませんので表地の生地に応じて合わせてみてくださいね。

●長襦袢で調整
単衣を着る6月・9月はまだ少々汗ばむ時期です。
基本は絽や単衣用の襦袢を着用しますが、その日の体感温度で夏用の襦袢やインナーなども活用されると良いでしょう。
半衿は絽のものを。最近では刺繍だけでなくビーズを使った半衿も人気です。


コーディネートで季節を楽しむ・・・

季節の変わり目などに着やすい単衣の着物ですが、帯や小物使いといったコーディネートは悩みの一つですよね。
暑さを感じる6月前後と涼しくなり始めるの9月前後のそれぞれでポイントを押さえておくとコーディネートも楽しくなります。


◆5~6月の単衣

夏に近づき汗ばむ陽気になるこの時期は、涼しげな色合いのコーディネートがオススメです。

・帯
5月頃から単衣の着物を着る時は、袷の着物に合わせるような帯で薄い生地感のものや涼しげな色合いのものを。
6月の本格的な時期に入ったら絽や紗などの夏物を合わせます。紫陽花やアサガオなどの夏のデザインを選ぶとオシャレですね。
・帯締め・帯揚げ
帯の生地感や季節感に合わせて選ぶのが良いでしょう。
5月頃は帯と同様に袷の時期に使うものでも、生地が薄いものや明るい色のもの、6月の夏の帯を合わされる時は帯揚げも絽のもので涼しげに、帯締めもレース調のものなど夏の小物を合わせましょう。
カジュアルなシーンであれば三分紐と天然石やガラス素材などの帯留を使うと帯周りが華やかですね。


◆9~10月の単衣

残暑の時期ながら、日によっては涼しく感じる9~10月は秋らしさを感じる色合いを取り入れたいです。

・帯
季節の先取りがキホンの着物コーデは、9月から一般的に夏の帯を合わせずに袷の帯や単衣に適した薄手の帯を使います。
10月に近づくにつれ、紅葉狩りなど行き先に応じて秋らしい柄のものや色の帯を合わせるのも楽しいですね。
・帯締め・帯揚げ
こちらも帯と同様に袷の時期の小物を合わせます。
9~10月のコーディネートは少し濃いめの色を使うことで季節感を演出できますし、着ている着物・帯の色を使って統一感のある組み合わせも品があります。


透け感のある着物

着物の生地も様々で、透け感のあるものも多いです。
こうした透け感のある着物で単衣と夏の時期と長く楽しむ方法もあります。

下に着る長襦袢の色が変わるだけで雰囲気がガラッと変わりますね!
夏前から夏の暑い時期は白の襦袢でスッキリと、 夏終わりからは色の襦袢で紗袷のような雰囲気に…。
1枚で長く楽しめるのは嬉しいポイントですね!!


今回は単衣の着物をご紹介いたしました。

着るものに悩む季節の変わり目は洋服にも言えますが、体感温度や気候に応じて快適に過ごしたいですね。
ぜひ着物のコーディネートや装いで移ろいゆく季節を感じてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました✿


きもの百花 ~HYAKKA~
きもの、人、時ー和のスタイルアップを目指す、着物マガジン

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