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ウルトラマンZ諸考-脱・オーブ症候群-

⚠️ウルトラマンZ最終回の内容に触れます⚠️

ごきげんよう!F-SPZPです!

いや~ウルトラマンZの最終回はさいこうでしたね!

自分も涙腺を破壊されてぐちゃぐちゃに泣きながらご唱和しました…

今回はそんなウルトラマンZについて、良かったところやちょっと頂けなかったところなどをまとめてみたいと思います。

一年の最後に好きな作品に文句言って終わるのも不本意なので、先にめんどくさい話をして後は褒めちぎって行きますよ~

お通し:みんなはどのウルトラフュージョンがすきかな?

まずはこういう話から入りたいタイプのオタクなんでね…

各タイプのいいところをさくっと書いていくよ!

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アルファエッジ:空手主体の徒手空拳や宇宙拳法由来の技を用いて戦う。

キレのある直線的な殺陣と回し蹴りの連打が美しいのが魅力。

武器を持っても良く映える。

わいのいち推し。

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ベータスマッシュ:豪快なプロレス技や力押しの戦闘を得意とする。

やけくそじみたテンションで敵にぶつかって行くのが魅力。

気合いだ!気合いだ!気合いだ!

武器を持った姿は完全にレッドm(槍が刺さる音)

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ガンマフューチャー:超能力を使い、直接手を触れずに戦闘を繰り広げる。

ガンマイリュージョンでティガ、ダイナ、ガイアを召喚し、TDG世代の涙腺を木っ端微塵にするのが得意技。

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デルタライズクロー:ゼロとベリアルのメダルが共鳴したことで規格外の力を発揮する。

ライバル同士のフュージョンでパワーアップするのはドラゴンボール理論に基づいておりアツい設定!

ビジュアルも各所に黄金のディテールがあり豪華にして荘厳。

百烈パンチやタイマーからエネルギーを集中して放つビームなど技もド派手。

ベリアロクさんも大人気!(?)

デスシウム歯磨きとは一体何だったのか…

結論、全部かっこいい!()

販促により混沌を極める強さインフレ問題

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そろそろ頂けなかったところ行きます…?

まずは"戦闘能力のインフレ"。

玩具販促によって各形態や敵怪獣に戦闘能力のインフレが出てくるのは毎年恒例のことなんやけど、Zは明らかにインフレの仕方が納得できないんよね…

"ウルトラフュージョン"を行使する戦士の強さとして最初に基準として参考にしたのは第6話のギルバリス。

ギルバリスは劇場版ウルトラマンジードのラスボスとしてジードウルティメイトファイナル、ゼロビヨンド、オーブトリニティを同時に退ける程の強さを見せるも、最後は朝倉リクの闘志が最高潮に達したことにより1対1の戦いに敗れる。

で、Zでは復活した個体が登場するんだけど、回想でのジードとの戦いを見る限り劇場版のときと戦闘能力に差は無いように思える。

ジードライザーの機能を奪ってるしね。

ここで再戦のジードはウルトラフュージョンを使い新形態ギャラクシーライジングに変身し、1対1の戦闘でギルバリスを戦闘不能にまで追い込む。

なるほど。納得できる。

基本的にはベリアルの遺伝子しか持っていないリクが3枚のメダルの力を使うことで、ウルティメイトファイナルと同等かそれに近い戦闘能力を使うことができる。

そして戦士としては未熟でなおかつ生命力が低下したゼットがウルトラフュージョンを使うことでそのジードと同等の戦闘能力を発揮できる。うん、納得。

で結局最後はゼットとジードが協力してギルバリスを倒すんだけど、ここまでロジカルに戦闘力について納得させてくれたにもかかわらず、しかしやはり、案の定、6話にしてギルバリスを使ってしまうのは早過ぎたのであった…!!

これも毎年のことではあるが、始めに強力かつ特別な力として演出されていたウルトラフュージョンも話数を重ねるにつれ、例年の通常形態と同じように扱われ、そして苦戦を重ね、膝をつくようになっていく。

"さらなる強敵"の怪獣たちがギルバリスよりも特別なチョイスならまあいいんだけど、普通に"往年の強敵怪獣"とかだったりするからね。

散って行ったギルバリスを見て見ないふりするのも悲しくなってくるよね。

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そして新たな販促の時期が到来し、新形態ガンマフューチャーが登場。

初登場回ではファイブキングが相手となるが、まずギルバリスを倒せるだけのポテンシャルを持っているはずのアルファエッジやベータスマッシュが、ファイブキングに勝てないということに、納得がいかない…

わかんないけどさ!ファイブキングも怪獣メダル使ってウルトラフュージョンしてるからギルバリスより強いのかもしんないけどさ!

で!

満を持してのガンマフューチャーが!

くっっっっっっっっそ!!

強い!!!

もうね演出的には完全上位形態の強さだったよね!

設定的にはアルファ、ベータ、ガンマは横並びだけどな!!!

ここからしばらくは"ガンマ最強時代"が続くんだけど、販促のためにアルファとベータが負け続けるのはほんとにどうかしてると思った。

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そこから数話、今度は完全上位の強化形態、デルタライズクローの登場回がやってくる。

地球に出現したグリーザにゼットとジードが再び協力して挑むが、「ウルトラマンX」のテレビシリーズにおけるラスボスであるグリーザには攻撃が通用せず倒せない。

これはいいんじゃね!?

ギルバリスにはパワーで勝ててもグリーザには物理的な攻撃そのものが通用しないからね!

その後はジードやジャグラーの活躍もあり、ゼットは最強形態デルタライズクローへと変身を遂げる…!!

ライバルのウルトラメダル同士が共鳴して強化されたデルタライズクローは、理屈を越えたパワーでグリーザにダメージを与えることができるのだ!

わい(結局パワーで解決するんかい…!!)

超パワーでグリーザに食い下がるデルタだがグリーザにはいま一つ及ばず、ジードの助力によって新たに手に入れた武器"魔剣ベリアロク"の必殺技でようやく勝利する。

理屈を越えたパワー…!!

新しい武器…!!

…後はご想像頂けますでしょうか?

そうです。"ベリアロク最強時代"の到来です。

とにかくベリアロクが全てを解決する!

まさかの"理屈を越えたパワー"を持つデルタでさえも、ベリアロクがその手を離れた瞬間に苦戦!(笑)

まあ言わずともって感じだけど、この後デルタが苦戦を強いられた敵のなかにグリーザより強そうな奴は居ません。

なんならラスボスのデストルドスも別にグリーザのほうが強くね?(やめろ)

ていうかウルトラマンZの強さの序列で行くと

ギルバリス<グリーザ<バラバ

ってことになるけどみんなそれは納得しているの?

おれにはさっぱりわからないね!

ハルキの成長リセットされ過ぎ問題

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ウルトラマンZの主人公はナツカワハルキ!

知能指数は低めだけれど気合いは誰にも負けないストレイジの若きパイロット!

本作はそんなハルキが特空機のパイロットとして、そしてウルトラマンゼットとして仲間と共に人類の生命を守る為に戦う物語である。

数々の魅力的なエピソードの中でもハルキの成長を描いた回は個人的にとても好きなんだけれど、ハルキくんってせっかく成長したのにそれが内面に定着してなくない?(笑)

ペギラに命懸けの奮戦を見せたヨウコ先輩からプロのパイロットとしてあるべき姿を学んだり、ブルトンの四次元空間で時を越えて亡き父親から命を守ること・奪うことと向き合っていく覚悟を教えて貰ったりして、いろいろと人間性に良い影響が出ているはずなんだけど…

ベリアロクさん「俺様を手にして、お前は何をする…?」

ハルキくん「わかんない!」

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ハルキくううううううううううううん!!!

もうちょっとこれまでの戦いを通して使命感を持ったりしようよ!

命を守ることへのこだわりを持ったりしようよ!

あの時きみの中に!!

ヒーローは目覚めていませんか!?!?

わかんないで終わらせるならこんな問いかけ要らなくね!?

…そろそろ良かったところ行くね!

脱・オーブ症候群の兆し

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何より目覚ましい良点はシナリオ面!

ウルトラマンZは、「ウルトラマンオーブ」以降、前作「タイガ」までの作品に一貫して残っていた、"縦軸のシナリオを配置しなければならない"というルール縛りをいよいよ廃してきたのではないか、と個人的に思う。

「オーブ」とそれに続く「ジード」は、それぞれ方向性は違うものの、文芸チームの仕事が非常に際立っていた2作品だ。

「オーブ」では"ルサールカ大爆発"という事件の真相を巡り、各登場人物の運命がひとつまたひとつと繋がっていく物語を、隠されていた情報を完璧なタイミングで明かし視聴者に驚きと感動を与える素晴らしいシリーズ構成で表現していた。

「ジード」では、主人公の朝倉リクと彼を付け狙い何かを企む伏井出ケイ、そしてその背後に潜むウルトラマンベリアルの三者、そしてベリアルを追うウルトラマンゼロを加えた攻防を描き、シリーズ後半にかけては思わぬサスペンス的仕掛けで視聴者に衝撃を与えた。

この連作に共通して言えることが"シリーズの縦軸のシナリオ"に力を入れて製作された、という点で、骨太のストーリーによって非常に見ごたえのあるシリーズになり、思い入れの強いファンも多く、この路線はうまく行ったと言える。

この成功を受けて続く「R/B」と「タイガ」ではこれらのシリーズのフォーマットを受けついで製作される。

フォーマットを受け継ぐ、というのは具体的には"人間態を持つメインヴィランが必ず1人登場し、シリーズを通して何かしらの企みのため暗躍し続ける"ことを指す。

が、この"メインヴィランの暗躍"にいまいち気合いが入らない。

シリーズの縦軸を牽引するほどの陰謀が無いということが問題だが、そもそも大した企みも無いヴィランを意味ありげに毎回出す必要が無かったのではないか、というのが自分の印象。

「R/B」と「タイガ」の作劇方法は、根本的には「オーブ」や「ジード」とは異なる。

"あらかじめ用意した舞台装置を使って各回の作家が自由にシナリオを創る"という、本来は極めて原点回帰的な作劇の方法を採っているのだが、この作劇方法と「オーブ」以降のフォーマットとの食い合わせが悪かったのではないかと思う。

「R/B」も「タイガ」も本来はもっともっと自由に展開できたはずだったのよ…

いや「R/B」も「タイガ」も嫌いではないし、良い部分は縦軸シナリオの薄さを補って余りあるぐらいたくさんあるんだけどね。

では「Z」はどうか。

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一応「Z」にもメインヴィランは登場する。

"寄生生命体"のセレブロと呼ばれるそれは、文明の息づく星を訪れてはその星の知的生命体に寄生し、怪獣を出現させる。

テレビシリーズでは鏑木慎也という怪獣研究所の研究員に寄生して暗躍していた。

が!このキャラクターの扱いが潔いほどに軽いのだ。意味ありげな工作活動をするわけではなく、ただ怪獣を生み出して人類と戦わせ、楽しむだけ。

ヘビクラ/ジャグラスジャグラーにも度々彼の行動は「遊び」と揶揄されるほど。その目的も最終エピソードの"ウルトロイドゼロ/デストルドス編"までは匂わせすらしなかった。

あくまでもメインヴィランの存在を「ひとつの舞台装置」の枠にとどめ、過剰に役割を与えなかった。「ウルトラマンZ」の作劇における最大の勝利はここにあったように思う。

ウルトラマン、怪獣、防衛チーム、特空機、そして客演ヒーローたち。

まるでおもちゃ箱をひっくり返したように盛りだくさんの舞台装置を使って、各エピソードの作家たちがのびのびと、自由な発想で物語を創り出すことができたのだ。

とにかくウルトラマンZの物語は熱く、楽しくを追求し、何よりも「子どもが楽しめる」ことに重点を置いて作られたものであったように思う。

だからこそその純粋さ、ストレートさに多くの視聴者は心を掴まれたのだろう。

おまけ:オリジナルはいいぞ

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ちょっとおまけ付きます。

白状します。

自分、ウルトラマンゼットオリジナルあんまり好きじゃなかったです。

最初は。

頭ツルっとしててモヒカンぽいし、目付きもキリッとしてないし、ちょっと微妙かなって、思ってましたよ…

オリジナルに関しては本当に使いどころが上手くて、我々がオリジナルを見るのは「ハルキとの会話シーン」「等身大の戦闘シーン」そして「ゼロとのボイスドラマ」だ。

これらを通して自分が見いだしたオリジナルの魅力、それは!

"親しみやすさ"   だ  !!!

そう、オリジナルは必ず"人と接する場面"で登場していた。

ハルキとの会話でのとぼけた一面、等身大の戦闘ではヨウコとのコンビネーションで華麗さや優しさを、ゼロとのボイスドラマでは先輩を慕う後輩としてのがむしゃらな前向きさを見せてくれた。

ウルトラマンゼットのパーソナリティーを好きになればなるほど、オリジナルへの思い入れが増していく。

好きです!オリジナル!!

そして、そんなオリジナルが!

シリーズのラスボスに!!

立ち向かう最終回!!!

もう泣きますよこれは!みんなの声援と気合いだけを原動力に!!最大の強敵にぶつかって行くオリジナル!!!

生命力の限界を越え、攻撃を受けて光で目元を滲ませながら頑張るオリジナル!!!

頑張れゼットさん!頑張れオリジナル!!

号泣の最終回でしたわ…

ウルトラマンZ諸考、こんな感じでお開きになります。読みにくい文章ですみません。

ありがとな…ウルトラマンゼット…

映画も楽しみにしてるぜ…

最後までお読み頂きありがとうございます!

またね~!

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