読む本がない時こそ本屋に行きたい

年末年始はわりと刊行数が減るので読む本がなくなりがちなのだけれども今まさにそうなっている。僕が好きそうな翻訳系サイエンスノンフィクションがあまり刊行されないので普段僕があまり読まない日本人著者、しかもサイエンス系ではない本にまで手を出している。『ゲンロン戦記』とか『2016年の週刊文春』とか。どっちもおもしろかったからいいのだけれども。

こういうなんか取り急ぎ読みたい本がないな〜〜〜〜という時こそでかい本屋にいって本を特にあてもなく物色したいのだけれども、このご時世ではなかなかそうもいかない。僕は基本的に本屋に行かなくても必要な本は物色できると思っているけれども、単純に本屋、それもデカい本屋で本の並べ方に人間の介在している本屋は、「本を探す」という目的以外にも本を並べる人間の意図、意志を楽しむというおもしろさがある。機械的に並べているだけの本屋も多くて、そういうのは本当にサーチするだけだけれども。

そうした人の意志の介在している本屋として僕がまっさきに思い浮かべるのは新宿東口の紀伊国屋と、西口にあるブックファーストだ。僕は新宿近辺に勤務していた期間が長い。新宿といっても東口と西口では距離もあるし別の駅のようなもんだけど、東口にある会社、西口にある会社にそれぞれ1年ごと勤務していた(転職回数が多いのだ)。東口に勤務していた時は、帰るときや昼休みは紀伊國屋書店に寄っていたものだ。

この本屋は本当に質がよくて、まず一回の一番目立つ場所、入ってすぐの左側のコーナーにはその時の新刊で魅力的な本が並んでいて、映画や音楽、心理学にサイエンスと学術的な読み応えのある本がたくさん並んでいて、まずここを毎日見てその変化を楽しんでいたものだ。そして当然一番上のサイエンス本の新刊コーナーを一通り見渡して帰るのだ。

西口のブックファーストは「ここがいい」というポイントがあるわけではないのだが、階段の移動がほぼ必要なくワンフロアで一気に新刊をみていけるのが嬉しい。一年に一回いろんな作家が選書をするコーナーとかイベントなど、とにかくイベントや何らかの催し物があった印象。あとここは新聞書評が載った本とかを新聞書評と一緒にわかりやすく展示していて、それを参考に本を買うこともあった。フロアもきれいで雑誌も見渡しやすく、とにかくすべてが行き届いた本屋という印象。ここも大好きな本屋だ。

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