魅力のあるキャラ、ないキャラ

『いわかける!- Sport Climbing Girls -』アニメ全12話をAmazonPrimeにて観た。非常におもしろかった。ボルダリング主軸のアニメなんだけど、細かく大会のルールやおもしろいポイントが解説されていてまったく知らない領域なのでそのへんの情報量こみでおもしろかった。自分ではやらんが。

ただ観ていて思ったのがプロットや設定がおもしろい一方でキャラクタが一部を除いてめちゃくちゃにつまらないということで、そのキャラの弱さを隠すためかアホみたいな語尾や口癖が各キャラに配置されていたのが残念であった。咲ぐらいにぶっ飛んだ作品なら意味不明な語尾キャラがいてもいいかもしれないがこの作品はかなりリアル寄りなのでその点も微妙である。

魅力的なキャラと魅力がないキャラを大きく分ける要素の一つは「定形で作らない」というところにまずはあるだろう。この作品の場合、たとえば主人公が所属する部の部長キャラはいかにも部長がいいそうなことを言い、副部長はいかにも副部長がいいそうなことをいう。正直『スラムダンク』のゴリとメガネ君の劣化コピーみたいなキャラで、何のおもしろみも感じない。

キャラクタを作り込む場合、あまりに定型だとゾッとするぐらいハマれない。それをこの5年ぐらいで一番実感したのはゲームのアズールレーンで、これ、キャラデザも最高、ゲームシステムも良しと、ゲーム自体は非常に出来がよくて半年ぐらいやってたんだけど、一方でキャラクタのつまらなさがかつて味わったことがないほどであった。それは、この作品の参照元に明確に艦隊これくしょんがあって、そちらのキャラクタの出来が良いのもあって、どうしてもそのつまらなさにめがいってしまう。

アズールレーンのキャラクタのつまらなさって誰でも気がつくと思うんだけど、あまりに定型的すぎるんだよね。ツンデレだったらツンデレのテンプレートみたいな台詞をいう、ヤンデレだったらヤンデレのコピペみたいな台詞をいう、一事が万事そんな調子であった。艦これの方はそうした定型的なキャラ付けはほとんどなく、艦の歴史や経歴を反映させた台詞を随所に滲ませるような作りで(僕が艦これをやっていたのはリリースして3ヶ月ぐらいだけだが)、台詞だけみてもその差は歴然であると思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?