こんな本が書いてみたい
このnoteの文章、誰も読んでいないと思ってテキトーに書いているのだが、たまに他所の編集者の人と会ったり打ち合わせしたりすると読んでいますよといわれることが多い。それは「意外と読まれている」のではなくて、単純に「会う予定のある相手のことを念の為調べていく用意のいい編集者」が意外と多いということなのだけれども、せっかくなので読んでいることを期待して「こんな本が書いてみたい」と宙に向かって企画書でも書いてみるか。
こういうのってパクられるからあんまり公に書かないほうがいいとか聞いたことがある気もするが、別に……何か着想に新しいものがあるかというと……という感じなのでいいだろ……。ご興味がある方は連絡してください。条件次第で書きますので……。
1. 教養としてのSF企画
書名:教養としてのSF20
概要:NHKの100分de名著のSF版。一冊あたり5000字ぐらいで、20冊10万文字ぐらいでまとめたい。クラークのあれやこれやとか、アシモフとか。冊数については増やしてもいいし減らして文字数を増やしてもいい。あらすじを尻尾まで書いて、その時代に出た意味と現代における意味を解説する。
ターゲット:NHKの100分de名著を頼しんでいたり、『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』を読むような、教養を身に着けたいと思っている層について。また昨今SF的な世の中になってきているので、こうしたSF的時代に至る歴史を古典的作品を抑えながら追っていくことで現代の流れについていくことができるというウリでこうなんとかする。
類書との差別化:SFだけに絞ったのはたぶん日本初? 世界に目を向けると『世界物語大事典』というのが出ていて、これは幻想・ファンタジィ・SFに限った本なのでかなりコンセプトがかぶっている。ただ、これは複数人で書いている本なので、一人の著者が一人の観点から書くのは意味があるかと。
個人的な問題意識:個人的な問題意識として、もう古い作品なんか今さら読んだっておもしろくねえし、SFはどんどん新しいのが出ているし、読む必要なんかない。けどその新しいSFは古いのをもとにしているから、「読まなくてもその古いやつのすごさと受け継がれていった意味」をコンパクトにまとめてあげることで現代のSFに接続しやすくしたい、という思いがある。
2. 大全企画をパクっちゃおう
書名:読書法大全
概要:古今東西あらゆる読書法本を読み漁ってその良いところを寄せ集めて最強の読書法を作ろう! という本。いくらなんでも世の中には読書法本が多すぎるのでそれを一冊にまとめて「これ一冊あればもう読書法はいらない!」といってコピーをつけて売ったら売れそうな気がする。
ターゲット:読書法・読書論系は売れる。売れるのはなぜかといえば、同じ人が何度でも買うからである。読んだところで読む冊数が倍になったり、情報摂取量が何倍になったりすることはないので、ヒントを求めて何度でも買う。そうした層をまるごと取り込めるのんではないだろうか。あと、普段読書法本とかを買わない人とかもまとめ本なら買うのではないか。
類書との差別化:あんまり調べてないからひょっとしたら似たような本があるかもしれない。ただ、最近は出てないんじゃないかな。類書といえばすべての読書法本がそうだろうが、総まとめということで差別化できないか。
個人的な問題意識:読書法の本は毎年毎年代わり映えもしないもんが出まくっていて、ドッキングして差分抽出したほうが有意義になると思う。
3. 現実の科学とSF
書名:科学とSF(何も思いつかん)
概要:現実の科学・テクノロジーの解説と、それに関連したSFをひたすら取り上げていく本。これは僕が今書いている本の中で似たようなことをまるまる一章やっているのだけど、それをもっと膨らませたことをやったらおもしろいと思う。たとえば、VRは今最先端ではどんなことをやっていて、SFではVRはどのように描かれてきたのか、ということを書いていく。
ターゲット:SF好きと科学好きに両面からアプローチをかける。ただ、僕の体感としてSFファンで最先端の科学や技術に興味がある人はあまり多くなさそう。現実の科学や技術が好きな人をSFに誘導する方が楽そう。なので、科学トピックスに興味がある層がメインのターゲットになるか。
類書との差別化:あんまり類書はないんじゃないかな。
個人的な問題意識:SF好きは現実の科学やテクノロジーの話をSFを楽しむようにして楽しめるはずだし、現実の科学やテクノロジーの話が好きな人は絶対SFも楽しめるはず、という確信があるので、そこを埋めたい。
4. ゲームとSF
書名:特に考えてない。
構想:これは特に詰めてないが、なんかゲームとSFでまとめられたらおもしろそうだなと思っている。SFゲームの歴史と発展という観点でもいいが、それだとちょっとまだ切り口としては大きすぎるかもしれない。
SF史の観点から過去の傑作SFゲームを評価していく、というとただのレビュー・評論集みたいになってしまってもう少し何か切り口が欲しい気がするなあというところで思考が止まっている。それはそれでまとまったらおもしろいとおもうけどまあそれは藤田直哉さんがIGNでやってるしな。
個人的な問題意識:ゲームはもっといろんな観点から語られて欲しい。凄まじい量のデザインとシナリオと文脈が混交しているのに、そのほとんどは語られぬまま眠っている。現状、ゲームのおもしろさ、ゲームの凄さにくらべて、その凄さを伝える方法が凄く限られていると思う。もっといろんな形でゲームのおもしろさと紹介される形、文脈の形があるはずで、自分なりのやり方でその文脈を開拓していきたいと思っている。
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