『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

ジョン・ウィック4作目にして完結篇。「気軽にひどいことをした相手が絶対手を出しちゃいけないやべえ奴」だった系の映画でとにかく基本アクションし続けるだけだが僕はこのシリーズの作品がとても好きだ。

ジョン・ウィックはアクションも好きだけどそれ以上に美術・背景・アートデザインが好きで、場所やカットが切り替わるたびにその背景と美術に惚れ惚れしてしまう。今作にも素晴らしい美術と背景がたくさんあって、それだけで満足だ。特にルーブル美術館のシーンやパリ凱旋門周り、ある階段のシーンなどは最高だった。正直今作はストーリーに関して言えば日本やフランスなどいろんな場所を舞台にしたいという要求が全面に出すぎてストーリー的には移動する理由がよくわからなくなっていた。ただ、ラストシーンはとても美しく「やりたいことをやりきってやった感」もあってよかったな。

今回は日本(というか大阪)がメイン舞台の一つで、大阪がトンチキ日本人の巣窟みたいになっていた。トンチキ日本舞台映画に毎回出ている真田広之も相変わらずよかったし、真田広之の娘役であるアキラも素晴らしかった。たっぷり尺を使って彼女(アキラ)のアクションを描き出していて、まったく役者の方は見たことなかったけどよく出来ていたから中国か韓国の俳優さんなのかなと思っていたけどあれは歌手でモデルのリナ・サワヤマちう人でマーシャルアーツも俳優も完全に未経験だったのね。YouTubeのアルゴリズムで発見されてロンドンにいてすぐにキアヌや監督と会ってるのも凄い。

それから3日かけて、たくさんの映像を何度も見返していくうち、なんだか良い予感がしてきた。エージェントに連絡をして、彼女と繋いでほしいと頼みました。本人とZoomで話してみたら、とても印象が良くてね。30分くらい話したところで、「ジョン・ウィックの新作映画に出てみたい?」と聞いてみた。すると彼女は「そんな、とんでもないです」と。だから「よし、こうしたらどうだろう?」と探ってみた。どこにいるか聞いてみたら、彼女はロンドンですと言う。こっちは今ベルリンだから、ロンドンか、ベルリンで、キアヌも混ぜて会おうと提案してみた。翌日、彼女はベルリンまで顔を出してくれた。僕とキアヌと彼女でミーティングをしたんです。

https://theriver.jp/john-wick4-stahelski-interview/

今回もう一人準主役といえるのが座頭市みたいに盲目でありながらも戦うドニー・イェンのキャラで、この人の存在感も素晴らしかったな。盲目でありながらも最強というと超能力みたいな気配察知能力で見えている人間よりもむしろ見えているみたいな描き方を想像するが、ドニー・イェンは全然みえてないうえに察知もできてなくて、隙だらけなのだが、そのかわりに音の出る装置など手段を尽くして戦う。その泥臭さはジョン・ウィックのスタイルと共通していて、「泥臭く、盲目で戦う」スタイルがとてもよい。

他、アクションについては大好きなシーンがたくさんあった。終わってみれば「もっと観たかったなあ」と思う要素もあるけど。たとえばこのシリーズは一貫してジョン・ウィックの孤軍奮闘を描くものだから、勢力vs勢力みたいな要素は(ほぼ)ない。しかし世界観的には巨大な組織の下に数々のヤクザ/マフィア的な組織が存在しているわけで、勢力vs勢力の戦いもみてみたかったな。スピンオフ作品も今後出てくるみたいなので期待できるかもだが

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