駄洒落のススメ
小6時の担任N先生は、包容力と厳格さを使い分ける、『教師の鑑』のような男。
授業の秩序を守るために、当時開幕したJリーグにあやかって、
『授業を中断させたらイエローカード』
『イエローカードは1週間でリセット』
『イエローカード2枚で退場(廊下に立たされる)』
こんなルールが制定された。
多分、私を含めた3人のウルサい奴ら対策であろう。
要は、週イチは授業中断させてもええんやな?
先生、性根の曲がった小僧には、ルールなんてものは、抜け道を探すための『道標』に過ぎないのですよ。
週に一度、
虎視眈々とウケを狙うのに一生懸命=無駄な集中力を発揮
先週分のイエローカードがリセットされたその日は、歴史の授業。
徳川幕府がなんちゃらかんちゃらとやっていた。
「先生!徳川の初代将軍の屋敷は造りが脆かったらしいですが、本当ですか?」
「座右くん、それはどういうこと、、、???」
また座右の銘太郎がおかしなことを言い出したと、ザワつく教室。
暫く腕を組みながら考え込む先生が、
「おお!なるほど!そういうことか!」
『イエヤス』やからな!
爆笑に湧く教室で、コレはヒットしたなとニヤつく私に、無情にも突き付けられる赤い札!!
「退場や!ネタが分かりにくくていらん時間取られたから一発退場や!」
ウケすぎたら逆にやり過ぎと判断されるのね。
てか、先生、レッドカードも用意してたなんて。
大人を見くびってはいけない。
分かりにくい駄洒落はジワジワ来る
学生時代に住み込みで新聞販売店に勤めていた。
300〜400部の新聞を一度にバイクに積むことができないので、配達区域の中間地点に予め運んでおいて貰う。(以下、「転送」といいます。)
転送依頼をするには、束に組んだ新聞を用意し、「〇〇区域、ドコドコマンション」という風に区域と場所を指定する。
私の区域は、「シーザーマンション」に転送してもらうのだが、この日は尊敬する店長が転送担当だったので、愛が溢れてイタズラ心が暴走してしまった。
『5区、カエサル』
ちゃんと転送されているかワクワクしながらシーザーマンションに着くと、ちゃんと転送分が置いてある。
メモに『カエサルってなんやねん?』と、追記されていた。
そうか、さすがにちょっと捻り過ぎたか。
反省し、次の機会にはもう少し分かりやすい駄洒落を仕込もう。
『ブルータス、お前もか!』
分かりやすいので、敢えて区域名は書かなかった。
ちゃんと転送されているかワクワクしながらシーザーマンションにたどり着くと、店長がタバコを吸いながら待っていた。
『一週間分の笑いが込み上げて来たわ!カエサルってそういう意味か!一週間も悩ませやがって!』
長い新聞屋経験で、こんなに笑った夜は初めてだと、褒めて貰えて嬉しかった。
よく、『駄洒落が分かりにくい』と言われる。
そして、
『駄洒落じゃなくて、最早、頓智だね。』
と、度々言われる。
今日も、何か駄洒落の材料になるモノはないか探しています。
(ちゃんと仕事しようよ!!!)
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