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最後の聖水

短編小説 聖水
ペットボトルに手が触れる。
締まっていなかったペットボトルが地球の中心に向かって大地に倒れてゆく。
「ああ中身、中身が漏れてしまう・・・」
気力が尽きた私の叫びは流れを止められず、中身は地面へぶちまかれていく。
一秒一秒経つたびに中身が砂を染めていき、臭いが鼻につく
「ああ、もうだめだ。もはやこれまで」
私にとって最後の飲料水だった聖水はカラカラの砂を少しだけ潤して消えた。
照りつける太陽、どこまでも続く砂漠
すべてが私を殺す。


おわり

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