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ハープパートより「あと9日」

こんにちは!ハープパートです。

ハープパートといっていますが実は有志のパートであり、ハープだけを専門に演奏する団員はいません。パート員は皆、自分の本業とする楽器(例えばチェロ、ヴァイオリン、打楽器など)と兼任する形でハープを担当しています。自分の楽器とハープと2つの楽器を練習しなければいけないのでなかなか大変ですが、よりよい演奏会にするべく一生懸命練習に励んでいます!

ハープとは?
ハープにはいくつか種類がありますが、オーケストラで使われるのはグランドハープ(ダブル・アクションペダル・ハープ)と呼ばれるものです。47本の弦が張られており、これを指ではじくことで音を出します。音域としては6オクターブ半と、ピアノとほぼ同じ音域を奏でることができます。またドレミファソラシの各音に対応したペダルがあり、このペダルを上げ下げすることで各音の調号を変えることができます。あらかじめ演奏する曲の調にペダルを合わせておくのですが、臨時記号が出てきた時はその都度ペダルを操作して調号を変えなければなりません。そのため曲によっては指よりも足の操作が忙しいなんて時もあります。このように一見優雅そうにみえるハープですが、実は全身を使って演奏するとてもダイナミックな楽器なのです。

当団が誇るハープ!

オーケストラにおける役割
オーケストラにおけるハープは、主に和音や旋律の伴奏を担当したり、アルペジオやグリッサンドで曲を華やかにしたりする役割を担っています。時には打楽器と一緒にリズムに回ったり、効果音として使われたりすることもあります。また派手なソロをもらえることもあり、オーケストラの中では多岐にわたって活躍しています。
ハープは柔らかく幻想的な音色が魅力的ですが、その優しい音色がゆえに他の楽器にかき消されてしまって全然聴こえないということがよくあります。しかしよく耳を澄ませば曲の随所で確かにハープの響きが聴こえてくるでしょう。このハープの響きがあるとないとでは、曲の雰囲気は全く違うものになります。ハープは音量ではあまりインパクトを残せませんが、曲の雰囲気を左右するという点で大きな影響力をもっている楽器なのではないかと思います。
今回の演奏会ではグラズノフの「四季」より“秋”と、プーランクの「牝鹿」にハープが登場するので、この2曲についてハープ目線からそれぞれの曲の見所を簡単にお話したいと思います。

7月の定期演奏会にて

グラズノフ「四季」より“秋”
この曲で一番注目していただきたいのはやはり2曲目の「小さなアダージョ」でしょう。この曲はハープのアルペジオから始まり、ヴィオラとイングリッシュホルンの美しい旋律へと繋がります。秋の美しさと少しのもの悲しさが感じられる旋律の裏では、常にハープのアルペジオが聴こえてきます。特にクラリネットソロやオーボエソロの裏で、ハープの伴奏がよく聴こえてくるでしょう。ソロを邪魔することのない優しいハープの伴奏は、曲全体を優しい雰囲気で包み込みます。

プーランク「牝鹿」
ハープが曲の雰囲気作りに貢献していると最も感じられるのがアダージェットでしょう。アダージェットは管楽器と弦楽器による美しい旋律が特徴的です。まるで夢の中にいるかのような美しい旋律ですが、その美しさの中にもどこか儚さや切なさが感じられます。ヴァイオリンや木管楽器の旋律の裏でのハープの和音やグリッサンドの動きは、曲に夢幻的な雰囲気を与えているように感じられます。ラグ・マズルカ、アンダンティーノ、終曲では、「Près de la table」(サウンドボード近くで弾く)という指示がでてきますが、この指示が出てきたところでは通常より低い位置で弦をはじきます。そのため響きが少なくなり、ギターに近い音色になり、いつもと違ったハープの音色を楽しむことができます。全体的に和音や修飾といった役割に回ることが多く、あまり目立って聴こえてくる場面が多くありませんが、アンダンティーノの最後の部分でのクラリネットとのアルペジオ、終曲の木管楽器からハープ、チェレスタへと繋がるアルペジオでは、ハープの音色がよく聞こえてきます!ぜひ注目して聴いてみてください~

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