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ポチ呪袋

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短い怖い話創作をがんばる
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記事一覧

母の実家は近くにあり度々寄っていた。その道に立派な地蔵がたっている。その日も母が運転する車で実家に向かっていた。私は地蔵があるなと見ていると首がなくなっていた。まさか心ない奴らが破壊したのかと母に嘆くと「元からなかった」と返された。私が見ていた首は何だったんだろうか。 #ポチ呪袋

あぁ〜〜猫ちゃん、と近づいたら白いビニール袋だった。と思ってよく見たら真っ白な人間の顔が薄気味悪い笑顔でこちらを見ており、ありえない風に地面から生えている。なにわろてんねん。 #ポチ呪袋

先輩が「家に毎晩お化けが出て」と相談してきた。私がどんなお化け?と尋ねると「だからお化けなの」見かねた上司も混ざって女性とか子供とか、どういう見た目なの?と尋ねるも「お化けだって言ってるでしょ!!」憤慨して出て行ってしまった。次の日、先輩は焼死したとニュースで流れた。 #ポチ呪袋

昔、大好きだった祖母の亡骸を携帯で撮影した。思い出して久々に写真フォルダを開くと、覚えのない虫の死体、ネズミ、カラス、狐なんかの写真が大量に入っている。何故か日付はみんな新しく、最新の写真は昨日になている。その写真は銀色の台に横たわる血の気の無い親父の顔だ。 #ポチ呪袋

花を買える程のおこづかいは持っておらず、近くのタンポポやシロツメクサの良いもの何本も手折りそれをを束ねる。両手で持つ程あつまるとそれはそれで小さな仏花の束のように立派だった。その手製の花束をプリント紙で丁寧に包装すると池の前にそえて冥福を祈った。ごめんなさい、と 。#ポチ呪袋

風呂の水を抜き終わり、掃除をしようとスプレーをかざしたら目があった。排水口の小さな穴の中に小さな子供の満面の笑み顔があった。テンパった俺は誰だコラと怒鳴ってしまった。子供の顔は凄い怒り顔に変わり奥に引っ込んだ。次の日、俺は子供を避けた結果、バイクで自損事故を起こした。 #ポチ呪袋

息子は廊下がお気に入りでいつも一人で遊んでる。が、大声が聞こえたので廊下に出ると息子が廊下の隅で蹲って泣いている。だがすぐに助けに行けなかった。息子と私の間には踝から下しかない真白い足が大量に並んでいる。瞬きをする、その足達は私の方に向いた。息子が笑顔で私を見ている。 #ポチ呪袋

祖父の家でトイレの前を通った時。祖父がトイレのなかで誰かと楽しそうに話をしていた。祖父はよく天気を正確に言い当てる事が出来たのでなんの気無しに、トイレの中で天気の話してるの?と祖父に尋ねたら祖父は驚いた顔をし話は、はぐらかされた。数日後、祖父はトイレの中で亡くなった。 #ポチ呪袋

決まって日曜日の夜、遅く帰ってくると玄関扉の前に菊の花、一輪が置いてある。コレが3ヶ月続いている。友人に話したら一階に住んでるんだから昼間のうちにベランダからこっそり帰って見張ればいいだろ、と。俺は玄関にカメラも設置して試す事にした。カメラには既に菊の花が映っている。 #ポチ呪袋

夜中に玄関の方からドンドンという物音で目覚めた。インターホンの画面を見るも玄関には何もいない。意を決して玄関に行くと靴箱が内側から殴られている。靴箱の引き戸の隙間からは青白い手が時折見える。私は箒の柄で引き戸を閉じると、音はやんだ。やっと寝れる。あのガキの方が悪いのだ #ポチ呪袋