住民税の計算方法を解説!

住民税の通知書は、毎年6月に発送されます。その内容を見て金額に驚く人も多いでしょう。会社員は6月から前年の収入に応じた住民税額が天引きされることになり、個人事業主は6月上旬に通知を受け取ったらその月内に納税する必要があります。金額を知ってから慌てることのないよう、できれば年内にその目安を知って準備しておくのはいかがでしょうか。今回は住民税の計算方法について解説します。

住民税とはそもそもなに?

道府県民税および市町村民税のことをあわせて「住民税」と呼んでいます。地方税の一つです。道府県民税については、東京都在住の人は道府県民税に代わって都民税が課され、さらに東京23区在住の方は、市町村民税に代わって特別区民税が課税されます。

住民税については、所得税の申告を行ったら居住地の市区町村にその情報が送られますので、それぞれの所得に基づいて住民税額の計算が行われます。会社員の場合は年末調整時に、個人事業主は確定申告にて所得税の申告を行っていますので、別途住民税の申告を行う必要はありません。

しかし、会社員については、副業を行っていて収入がある場合は、住民税の申告をする必要があります。「副業の給与収入が20万円以下の場合、または副業の事業所得や雑所得の金額が20万円以下であれば申告しなくてよい」というのは、あくまで所得税のみです。

会社員の住民税については、給与所得以外の所得がある場合は申告が必要なのです。確定申告とは別に市区町村に申告書を提出するようにしましょう。都民税や道府県民税は市区町村に提出した申告書を元に税額が計算されます。

こうして前年所得から算出された住民税は、毎年6月から支払うことになります。会社員については6月から新しい税額での給与天引きとなり12分割で支払う特別徴収という方式、個人事業主については、普通徴収という方式で、4分割にて6月末日、8月末日、10月末日、翌年1月末日と4回に分けて支払います。

住民税の計算方法

住民税は「均等割額」と「所得割額」を合算したものが納税額となります。
「均等割額」というのは、所得に限らず課税され、同じ自治体に住む納税者は全員同じ金額を納税します。こちらは地域差がありますが、都道府県と市区町村をあわせて、だいたい4000~5000円前後の金額です。

「所得割額」は、それぞれの収入によって差が出る金額です。所得割は所得税の計算式と全体の流れは似ていて、所得金額から所得控除の額を差しい引いた課税所得に、税率をかけて算出します。

この各種所得控除の金額が、所得税と住民税では異なるため、実際の住民税の元となる課税所得の金額が所得税よりも多くなるのです。

たとえば、給与所得者の基礎控除は所得税では38万ですが、住民税では33万円と5万円も少ないのです。

また、令和最初の住民税で配偶者控除、配偶者特別控除が改正されています。大きくニュースにもなったのでご存知の方も多いともいますが、今までは年収がいくらでも、配偶者の所得が38万円(年収で103万円)以下であれば配偶者控除の額は38万円で固定されていたものが、所得額が1000万円を超えると配偶者控除は受けられなくなりました。代わって、配偶者の年収の103万円が150万円に引き上げられるなど、かなり複雑化しています。

そのほか、生命保険料控除なども所得税の方が住民税に比べて控除額が高くなっています。控除名は一緒でも、住民税の方が全体的に控除額が少ないため、所得税と住民税の計算の元となる課税所得自体が数十万円以上も違うことも珍しいことではありません、

こうした控除を差し引いた課税所得に、全国ほぼ一律10%の税率をかけて求められるのが住民税です。

例えば、住民税の課税所得が500万円だったとすると、約50万円が住民税となります。
会社員の場合は12分割で納めることになりますが、個人事業主は年4分割なので、1度に10万円以上の出費となります。

住民税の計算方法は法改正もあり計算が複雑ですが、まずは所得税の課税所得に10%をかけて計算し、さらに+αという形で考えておくと良いでしょう。

なお、事業自体が赤字の場合は、所得がないとみなされますので住民税は非課税になります。

まとめ

住民税の税率については都民税・道府県民税と区民税・市町村税の割合についての差はあれど、あわせて10%というのが大体の概算の割合となります。

むしろ、前述のように、所得税と住民税の課税所得が大きく異なるのと、所得税の割合は5%から始まるので、そこから見ると一律10%の住民税がとても高くなるような印象を受けるというのが本当のところのようですね。

『ヒュープロ マガジン』では住民税の計算方法について、さらに詳しく解説していますので、気になる方は下記のページをご覧ください!

住民税っていくらかかるの?計算方法を解説します


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