株式分割とは?メリットもあわせて解説

株式分割とは

株式分割とは、その字の通り、株式を複数に分割することを差します。
例えば1株100万円の株があるとして、5分割すると1株20万円です。
株式を分割する場合、現在保有の1株に対して、分割分の株が無償で、基準日に株主名簿に記載された株主に配布されます。持株数は増えますが、理論上1株あたりの価値は分割分下がりますので、全体の資産価値は変わりません。しかし、株式分割によって市場流動性が高まるかもという期待から、株価が上がる場合もあります。

また、すべての株主の持ち株数が均等に増加するので、持分比率の変動もありません。また、分割に当たっては、証券会社で処理をしてくれますので、個人投資家が自分で手続きを行う必要はありません。株式分割には、整数倍だけでなく1.5倍などの分割もあり、それによって発生する1株未満の株式に関しては、「株式買取請求権」が定められていて、会社へ買取を請求できます。

株式分割とは、企業にとっては、資金調達を伴わない新株式の発行形態となります。既に発行されている株式を細分化して発行済株式数を増加させ、その増加分を株主の保有株式数に応じて配分することになります。つまり、外部からの資金の提供がないまま、株式数だけが増加するということが、株式の細分化ということであり、株主にとっては、持株数に応じて株式数が無償で増加する形となります。

株式分割は株主の利益を害するものではないという理由から、会社法183条により取締役会もしくは株主総会の決議で行うことができます。なお、株式の発行会社においては、発行済み株式が増加するのみのため、会計上、税務上の処理は生じません。

日本では、2001 年 10 月の商法改正によって、株式分割が容易となりました。また、2001 年 9月に全国証券取引所・日本証券業協会が公表した「株式投資単位の引き下げ促進に向けたアクション・プログラム」を受けて、日本企業は株式分割を積極的に行うようになっています。

実施企業の発表資料をみると、「当社株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることを目的とする」との記載が目立ち、株式分割が流動性の向上と投資家の拡大であることが明言されることが多いです。以下では、株式分割を行う目的とメリットについて具体的に説明していきます。

株式分割を行う目的とメリット

単に株式を分割するだけでは、手続きに要する時間と作業だけがかかるようにも見えますが、株式分割には以下のような目的や、株主にとってのメリットもあります。

(1)株を売買しやすくなる

高値を付けている株は、売買がされにくく、市場における流動性が低下してしまいます。株式分割を行うことにより、1株当たりの価格を下げることによって、個人投資家でも株式を購入しやすくなります。

(2)現在の市場からの指定替え

株式市場は、それぞれの市場における上場の条件があります。例えば、東証マザーズから東証二部など、上位の市場の適合基準を満たして昇格することを「指定替え」といいます。

指定替えには、企業の規模や株主数や流通株式数などの様々な条件を満たす必要があり、株式分割はその手段の一つとして行われる場合があります。

(3)配当金が据え置きの場合増配される

配当金は一株当たりいくらと定められています。株式を分割することによって、保有株数が増えるので、1株→2株の分割の場合だと配当金が2倍になる計算です。

(4)株主優待の条件が変わらない場合拡充される

株主優待制度は一般的に保有株数で優待内容が変わります。株式分割をすることで優待条件の変更がない場合は優待内容がグレードアップすることも。

株式分割について、下記の『Hupro Magazine』でも詳しく解説中です!あわせて是非ご覧ください。

株式分割とは?会社・株主が手にするメリットや手続き上の注意点を分かりやすく解説|Hupro Magazine

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?