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【獣医師診断&捕獲&解体&診断&販売】


獣医師監修ではありません

ネット広告等で特に良く見かける文言に“獣医師監修”や“獣医師推奨”というのがありますが、僕がこれから作ろうとしているフードにそういう文言を書くとしたら、「監修」だけではなくタイトルの様になります。笑
世の中に獣医師監修は多々あれど、獣医師が捕獲から行っている野生肉フードはなかなか無いでしょう。そういう強みをこれから説明します。

狩猟の本場研究

まず、狩猟の本場とも言えるイギリスの鹿ハンティング関連機関によると、鹿の健康状態の診断は撃つ前に行うものです。これは撃つ状況によって見るべきポイントが変わってくるので、詳しく知りたい方は是非以下のリンクにてご自身で調べてみてみて下さい。

総じて言えることは、経験がものをいう世界だと言う事です。
牛でもそうなのですが、一見健康そうに見える外見をしていても獣医師が見ると「これは、、、」と思う子はいます。
鹿も同じで、一見健康そうに見えて異常な点があったり、一見ボロボロに見えて、季節性の正常な変化だったりします。

診断1

例えばこの鹿は最近(4/10)釧路の山で見た子です。皆さん診断してみて下さい。

経験豊富な道東のハンターさんは瞬時にそれを判断します。僕はその経験が無いので、獣医師の知識と経験で補います。
ちなみに上の写真を僕が診断するとしたら「毛がボソボソなのは正常な変化だと考えられるが、肉の状態は恐らく良くないから今は撃たない」です。まぁどっちにしろ猟期では無いので撃てないのですが、もし猟期中にこの子を見たらそう診断します。
今は山から畑に出て来て新芽をついばむ時期です。越冬で消耗した体を新芽で回復しようとしているのです。
毛がボソボソですが、これは季節性の正常な変化だと考えられます。夏毛が下からのぞいてますね。この時期の鹿はこういう子が多いです。当然換毛にはエネルギーが使われるので肉質は落ちる傾向にあります。
そういう意味で上記の判断をします。

ちなみにこの子はこの時点では一頭だけでいました。群れからはぐれたのかも知れません。群れを作る野生動物が群れからはぐれる時は大抵理由があるものです。
「では、やはり正常ではないのか?しかしこの後ろの林にはちゃんと群れが隠れているかも知れないぞ?結局この子はしばらく観察しないと分からないな。」など現場で考えるわけです。

事実この子の後ろには大きい群れが隠れていました。きっとあと数か月もすれば元気に走り回るような子なのでしょう。

診断2

そして、撃った後の解体でその答え合わせの診断をします。見た目だけの判断では誤りも多いので、結局これこそが重要です。
肉の色、みずみずしさ、脂肪の厚み、脂肪の色、リンパの大きさ、臓器の色・大きさ、寄生虫の有無、、、などなど、実際の鹿を目の前に解剖すると多くの情報が分かります。
Hunting Villageの提供するペットフードは、原材料の鹿ごとに僕がカルテを作り、全製品どの鹿のものか追跡できるようにするつもりです。これをすぐに実現することは難しいですが、なるべく早い段階で提供できれば幸いです。
血液検査などをするのもいいかも知れませんね。

そうして皆さんのもとに健康優良鹿と安心をお届け出来るように頑張ります。


ハンターが撃つべきは不健康個体!?

ただ、件のイギリスのサイトを読むに、ハンターは不健康な鹿を間引くべし。とあります。
オオカミがいなくなった現在、鹿の主な天敵はハンターです。ハンターは天敵として「弱った鹿を捕食する」という重要な使命もあるのです。なので僕は必要とあらば弱った鹿も獲っています。
そのような個体の中には、肉質は劣るものの製品として十分価値が見いだせる子達もいます。ワンちゃんの健康に悪影響が無いと診断したなら無論無駄にはしません。
これをハイグレード商品と同価格で並べることはしませんが、お手頃価格で提供できる商品にしたり、ジャーキーにしたり(脂肪の少ない痩せた肉はジャーキーに適しています。)するのもアリかと思っています。
そもそも栄養学的に本当に劣るか分からないので、まずは然るべき検査機関に回してみようと思います。

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