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狩猟採集民の絵

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秋田県の阿仁という地域の絵を「狩猟採集民の絵」として載せています。 さっと見ていってください。 6月16日〜7月15日まで、毎日朝7時更新。 ※7月15日追記 マガジンの販売は…
もしいい絵があればマガジンを購入していただけるとめちゃ嬉しいです。 お金は絵の額縁代として使用しま…
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#秋田

マタギの一員として役目を果たせた日。

マタギという狩猟集団の一員として仲間に入れていただいている。 今年の春にその方々と一緒に猟に行った。この絵は熊を解体した場所。ここで熊を一頭授かったのだった。 ・・・ 移住して3年目なので、阿仁にはまだ実質2年半ほどしか住んでいない。移住したての頃、いきなりマタギの猟に同行させていただけることになった。 名前もわからないおじさん(おじいさん)たちに付いて行き、秋田のことばもまったくわからないなか、雪山のなか「ここで待ってれ」と一人にされた。雪山で一人残されるのは、当時の僕

山の変化を見て思うこと。

今日も、朝活。 夏なんだけど、秋の山を。 普段自分の会社のほかに、営林署の臨時職員として働いているので、ほぼ毎日のように山に入る。こんな生活初めてなので、山が変化していく様子が観察できて、とてもたのしい。 夏といえば虫、というくらい僕の中では虻や蚊が増えてあんまり夏山には近寄りたくないなあというイメージだったのだけど、少しずつその感覚が変わってきている。たとえば実をつける植物がいること。見た目はゼルダの伝説の「ムジュラの仮面」みたいな見た目なんだけれど、食べると甘くておい

あけびの話。

今日は朝に書いている。前日の夜に書いて、朝に投稿するというのがいつものルーチンワークなのだけど、あまりにも疲れていたりすると、何も書けない。書けたとしてもなんだか暗い文章になる。ただでさえ暗いのに、さらに暗くなっちゃうと、せっかく読んでくれた人に申し訳ないので、もう書かないことにしている。 朝になにかをするのはいいですねー。朝だからコーヒーも飲めるし、パンも食べれるし。そして涼しい風も入ってくるし。脳もぼーっとしてるところから、徐々に起きてくる感じが気持ちいいし。毎日はたぶ

生み出したものに、値段をつける。

絵を描き始めた頃、持っていたパステルが12色だけだったので、そもそも難しそうな題材には手を出さず、自分でも描けそうな単純な構図なものから描き始めた。ただただ自分の手を描いてみるとか、手の上に乗った果物を描いてみるとか、山は山でも陰影もなにもないただの山だとか。それはそれでいい絵が描けたりもするんだけれど、描いていく内にだんだん物足りなくなってくる。いや、物足りないというよりは、これ描いてみたい!というものが増えてくる。となるともう新しいパステルを買って挑戦するしかなくなる。そ

「思いやること」と「気を遣うこと」は違うよね

自分の趣味を人に押し付ける人って嫌な人ですよね。いやあ、はい、すいません。押しつけたわけではないんですけれども、私、妻を釣りに誘ったことがあって。 自分は釣りが好きなので、妻にも好きになってもらえたら一緒に釣りも出来て楽しいし、いいなあーという結構軽いノリで、ちょっと今日一緒に行ってみませんか?みたいな感じでお誘いしたことがあったんです。 一緒に行ったはいいけど、ほぼ初めての渓流釣り体験だったから、すっごい苦労して山を登ってたんですね、妻。事前に山に行くための必須道具も揃

ザバーッ

仕事で魚釣りに行く。魚が餌に食いついて、グイッと糸が引かれる。それに合わせて手をクイっと上げる。うまく合わせられれば、針には返しが付いているのでちょっとやそっとじゃ針は取れない。魚がぐいんぐいんと住処に戻ろうとする。その力に100%逆らって陸に上げようとするのではなく、かといって100%持っていかれるわけでもない、ちょうどいい塩梅の力加減で魚の引きの強さを楽しむ。魚が疲れて落ち着いてきたら、ちょっと力を入れて(でも優しく)魚を回収しやすそうなところに上げる。「ああ痛かったねえ

山は美しい。

妻に「美しいものを思い浮かべるとしたら、何を思い浮かべる?」と質問されたことがある。僕は「きらきらしたもの」と答えた。居酒屋のグラスたちが光に反射してキラキラと輝いているところを思い出す。一方妻はというと「山かなあ」と答えた。そうなんだーなんかいいなあと僕は言った。素直に「羨ましい」と思った。 妻は秋田の生まれで、こどものころからいつも山を「ふと」見上げていたのだろうなと想像する。通学中も、何かの祭りの最中も、家を出てひとり都会に行く時も、秋田に戻り仕事に就いてからも、そし