見出し画像

フラットアースの考え方

 もう30年も前になるが、営業の車で移動中ラジオから今でもやってるのかわかんないけど子供電話相談室が流れてきた。

「宇宙より大きいものはあるんですか?」

たどたどしい、たしか小さな女の子の質問だったと思う。
『お嬢ちゃん、残念だがそりゃないなー。』
そんなこと思ってたら回答者が、

「あります。」

ときっぱりと言った。『ナニー?!』思わず聞き入った。

「それは宇宙より大きいものを考えるあなたの心です。」

( ゚∀゚)・∵. グハッ!! カリオストロの城の銭形警部かよ!
何かを期待した分ズッコケた気がした。
ただそれって地味に心のどこかに引っかかっていた。

 誰でも一度くらいは人間はなぜ生まれるのかとか宇宙のこと考えたことあると思う。オレなんかヒマな時はしょっちゅうだ。
ただアリやミジンコ、ボウフラなんて小さい生物見たときに宇宙のことなんて考えても無駄かもって思うようになっていた。
たとえば自分が空き缶に溜まった雨水の中に生まれたミジンコだったとする。すると自分にとって空き缶の中の雨水が全世界だ。
空き缶の大きさにもよるけど、ミジンコの寿命は最長で18日だそうで、缶の端から端、底まで見て回り、生きているうちに自分の生存環境を確認できるかもわからない。
この状態で空き缶の隣にもっと大きな水たまりや池や沼、川に湖、そして海なんかが外の世界にあるなんて知りようがないのだ。

もちろん人間とミジンコは違う。
けどミジンコに知性と寿命が80年あったとしてもとなりの水たまりの発見はおろか、自分の住んでる環境が空き缶だったなんて知る由もないと思う。

 そんな時耳にしたのが「フラットアース」の話だった。
地球は球体ではなく平面。大昔の天動説に基づく考え方で、全世界に600万人の信じてる人がいて、彼らを「フラットアーサー」と呼ぶそうだ。
正直最初地球平面説なんてUFOや幽霊以前にハァ?と思っていた。
ましてやちょっと調べると陰謀論。イルミナティやロスチャイルド、NASAまで世紀の詐欺に関わってるとか聞くと、いくら陰謀論好きなオレでも地球は平面だってのはないわぁと思ってしまった。
ただあれ?って思ったのはこの画像だ。

スクリーンショット 2022-02-04 021824

左はフラットアースで、北極を中心に世界があり、外周は氷の壁で全部南極なんだそうだ。
そして右はフラットアースソサエティのマークではなく、ご存知国際連合のマークなのである。
フラットアースの動画や書籍に説明はあるが、それ以前になんとなく不思議に思っていたのが国連の『南極条約』のことである。
ご存じの方も多いと思うが、南極はどこの国の占有も認めず、国連加盟国の平和利用として国連軍が守ってるのだ。
聞き流せばそれまでだが、考えればなんか不思議な話だ。
この条約が1959年で、NASAによるアポロ宇宙計画が1961年。
フラットアーサーによれば人々の目を南極から宇宙にそらすためだったということだが…。

地球平面説がトンデモ理論かと思えばそうでもない。
ともすれば平面で考える方が自然なこともある。
かといって妄信的に信じるには至ってはいない。
自分が住んでいるのは空き缶なのか池なのか。
当たり前を疑問に思う。それがフラットアースの考え方。
知的好奇心がくすぐられるムーブメントに乗ってみたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?