日向翔陽になりたい。

以下には『ハイキュー!!』の最終話までのネタバレがあります。ご注意ください。また、以下は個人の感想を述べたものであり、作品を批判する意図は全くありません。

約1ヶ月ぶりの更新になってしまいました。今回は最近読んだ漫画の話をつらつらと書き連ねていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

先日、『ハイキュー!!』を最終巻まで読みました。その時、一番に思ったことがこのタイトルでした。では、その話をする前に、私と『ハイキュー!!』との出会いについて少し語らせてください。

出会ったきっかけは小学生の時にアニメを初めて見たことでした。それから、中学3年になる頃には漫画を全巻揃え、高校生になってもずっと読んでいました。高校受験はハイキューが無ければ落ちていたと思うし、高校入学後は『ハイキュー!!』がきっかけで友達もできました。その友達とは今でも連絡を取り合っています。まさに、私の青春が詰まった大好きな作品です。しかし、高校生活が次第に忙しくなるにつれて、少しずつ少しずつ、離れていってしまった作品でもありました。

そして先日、「そういえば『ハイキュー!!』って連載終わったんだっけか。久しぶりに読んでみるか」と軽い気持ちで読み始めたのですが、人目もはばからずしっかり泣きました。

特に日向くんを始め、高校時代に共に戦った仲間達、しのぎを削ったライバル達が高校を卒業してそれぞれ就職している姿を見て、『ハイキュー!!』は、長い長い人生の中で「バレー部として過ごした高校生の3年間」を私たち読者に切り取って見せてくれていたのかなと感じました。かつてバレー部だった彼らにも引退の日は訪れて、引退すれば彼らも一人の高校生で。それぞれに目指す進路があって、待っている将来があって、叶えたい夢や目標がある。だんだんとバレー部だったことが過去になっていく。バレーを辞めた人もいれば、バレーを続ける人もいる。プロとして競技に関わる人もいれば、協会で働くことで競技に携わる人もいる。色んな進路があって、色んな未来があって、あの高校生活3年間は本当に過去のものになってしまったのだということをしみじみと感じてしまいました。

彼らの青春が終わるように、『ハイキュー!!』をわくわくしながら読んでいたあの頃の私達も過去になっていくんですよね……。しかしそれぞれの道を進む彼らのように、私達も前に向かって歩んでいかなくてはいけない。そんなことを思いました。

さて、感想が長くなりましたがタイトルについて。

「日向翔陽になりたい」

これは一体どういうことかと言いますと、日向くんが一人ブラジルへ渡り、武者修行をする話を読んだ時の私の一番の感想です。

今まで私は日向くんに対して、自分とは違うタイプの人間なんだろうと思っていました。コミュ力が高くて明るい。初対面の人とも上手く話せる。人から好かれる。圧倒的コミュ強。

しかしそれは誤解だったのだと、数年の時を経て気付かされました。

あの日向くんが言葉も文化も異なる異国の地で、持ち前のコミュ力が上手く生かせず部屋の隅で三角座りしてるんです。このシーンを見た時に、私達と彼は同じなのだと思いました。そんな中で彼は状況を打開するためにもがき続けました。そしてその頑張りが実を結び、ルームメイトやペアとも打ち解け、本業のビーチバレーも上達していきました。

「私もこうでありたい。日向翔陽になりたい」

どんな時でも状況を打開するためにもがいていたい。人や自分を信じ続けていたい。そんな気持ちにさせてくれました。ありがとう『ハイキュー!!』。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?