【ネタバレ】ミラベルと魔法だらけの家 ドアの考察

ちょっと思いついたことを書きなぐりたいだけです

ギフトを与えられたもののドア

ミラベルと魔法だらけの家の中で、ギフトを授かった子供たちにはドアが与えられますが。そのドアに大きな差があることは割と有名だと思います。

アントニオ以外の子供たちは、ギフトを授かったときから「大人の姿」がドアに刻まれています(作中の写真をよく見るとわかる。)が、アントニオだけ「子供の姿」が与えられています。

おそらくアルマがギフトを与えた子供たちは、ある程度未来が定められてしまっているのでしょう。
対してミラベルは家族の中のリベロで、未来が定められてしまったらマズい人間だったわけです。
この強固な力はブルーノの予言能力にすらありません(作中で未来は変えられると言及あり)。
だからミラベルにはギフトが与えられてはいけなかったんです。

ミラベルの力の詳細

今作の考察の有力な一つとして「ミラベルはアルマの後継者である」というものがあり、この場合アントニオがミラベルがギフトを与えた最初の一人であるということになります。

アルマがギフトを与えるためにやってきた儀式は「蝋燭に触れさせる」という行為です。
対してミラベルはおそらく「自作の手芸作品を与えること」でギフトを付与していると思われます。

アルマとミラベルの象徴的な紋章は「蝶」。アルマの蝶は蝋燭にありますが、ミラベルの蝶が一番目立つのは右肩にある毛糸の立体刺繍でしょう。なので、ミラベルは特に手芸に関わるものが力の架け橋になっているのではないでしょうか。
アントニオにはチーター(?)のぬいぐるみを与えることにより、ギフトが与えられたのだと考えられます。

また、他にもミラベルの能力に手芸が関連していそうな描写があります。
イサベラの「What Else Can I Do?(本当のわたし)」後、イサベラはドロドロに汚れていますがミラベルはほとんど汚れていません。
これは単純にイサベラだけが汚れたのではなく、イサベラはミラベルの能力の影響を受けたことを表していそうです。
ミラベルの能力に親和性のある「染色」により魔法の力が一時的に補充されたのではないでしょうか。
染め物や織物など、手芸に植物はつきものです。実はイサベラとミラベルはとても親和性の高い能力の持ち主同士だったのではないでしょうか。
だからこそブルーノのビジョンではイサベラが最優先されていたのではないでしょうか。

ミラベル代替わりによるエンカントの開放

エンカントはマドリガル家によって成り立っている土地です。
私が一番疑問視しているのは「エンカントに医師はいるのか」というところです。
エンカントの病人はフリエッタにより完璧な治療を簡単に受けることが可能であり、正直なところ医師は必要がありません。産婆は居るでしょうけれど。
ただ、これは「フリエッタがいなくなった際、エンカントは医師のいない土地になる」ということになります。
マドリガル家が居ることによってエンカントは存在していますが、逆に言うとマドリガル家が欠けたら重大な欠陥のある土地になってしまうということです。

アルマの代は緊急対応としてどうしても強い力で土地を守らねばならず、実際ペパ、ブルーノ、フリエッタは子世代と比較すると極めて強力で一般人には代えがたい力を持っています。
ただ、子世代にいくと強いのはせいぜいイサベラ程度でしょう。ルイーサのギフトも強力ですが、100人ほどいればまぁ代わりが利くのです。その他はどちらかというと参謀的なギフトですし。

おそらくですが、イサベラが政略結婚させられそうになったのもこの影響があると考えています。アルマの目論見ではギフトの強いイサベラがマドリガルの長になる予定だったのではないでしょうか。
(余談ですがイサベラが孫の中で一番アルマに似ており、マリアーノは若干ペドロに似ています)

そして先述した通り、ミラベルがギフトを与えたアントニオは未来に確定要素のない子供なのです。
また、作中の騒動によりエンカントの人々は「自分たちもギフトはないけど助けられる」という自覚を持ちます。
アルマの代はある程度未来を確定させないとエンカントの人々の存続が危うかったのでしょう。
しかし今はエンカントも安定しており、魔法に頼らない生活ができるようになりそうです。
ミラベルは魔法から人々が抜け出すための緩やかな一歩なのではないでしょうか。
ミラベルを境にして徐々に魔法が薄れていき、それはきっとエンカントにとって歓迎すべき変化なのではないかと思います。


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