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映画の話 LEON

不器用なおじさんと少女の物語って名作が多い気がします。

それは映画だけにとどまらず、龍が如くシリーズの桐生さんと遙ちゃんであったり、ラストオブアスのジョエルとエリーなんかもそう。

LEONでもそうであるように、行き場や居場所をなくした者同士が出会い、共に行動をするようになる。

はじめはぎくしゃくしていた2人も時間をかけて本当の親子のように互いを大切に思うようになる。そんな2人を見守る視聴者やプレイヤーも、いつの間にか2人の幸せを願わずにいられなくなる。

以下ネタバレ注意

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ただLEONに限っては、ヒロインのマチルダちゃんが街の掃除屋であるレオンの事を恋愛的な意味で大切に思っていくようになっていく。

「レオンあなたに恋したみたい、初恋よ」と、すごく可愛らしくてどこか大人びたマチルダのまっすぐな言葉に、見てる方は色んな想像を膨らませてしまうんだけど告白された張本人のレオンは、はじめてなのに何でその気持ちが恋だと分かるのかと何だか子供のような質問返しをしてしまう。

12才のマチルダは年齢にわりにとても大人びているのに対して、若い頃から学校へも通わず掃除屋として生きてきたレオンは読み書きがほとんど出来ない。

マチルダに殺しのノウハウを教える変わりに、レオンはマチルダから読み書きを教えてもらう。この一見ちぐはぐに見える2人の関係が尚更愛しくさせます。

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激しいアクションシーンが多い作品だけれど、一度2人が住み家へ帰ればその時間だけでも辛いことから逃れられると言わんばかりにじゃれ合うシーンも緩急があって素敵。特にお気に入りのシーンはマチルダが突然はじめたモノマネゲームで、茶目っ気たっぷりにマドンナのLike a Virginを歌ってみたり、色気むんむん(?)のマリリン・モンローに扮しHappy Birthday to Youを披露するところ。マドンナもモンローもチャップリンも当てられないレオンが期待を裏切らない世間知らずさで2人の仲睦まじさがたまらない。

物語の終盤、スタンフィールドが送り込んだ特殊部隊によって窮地に立たされたレオンとマチルダ。レオンは何とかマチルダだけでも逃がそうとするも、絶対に離れないと泣きじゃるマチルダ。

その時レオンは、「俺を失うことなんかない。君は人生の素晴らしさを教えてくれた。幸せになりたい。ベッドで寝て、根を張りたい。また1人になることなんてないさ、愛してる」と告げてマチルダと別れる。

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結果的に二度と会うことはできなくなってしまった2人ですがマチルダはレオンが何よりも大切にしていた植木鉢をもらい受け学校の庭へ埋める。もうこれで大丈夫だと心の中でレオンに語りかけながら。

生前のレオンは根無し草な自分と植木鉢に入った観葉植物にどこかシンパシーを感じている風でしたね。そんなレオンの気持ちをくみ取ったマチルダの行動がまた泣かせる。

彼女はどんな人生をこれから送っていくのか、大人になっても人生は辛いのかといつかレオンに尋ねていたマチルダちゃん。レオンは「ずっとさ」って即答してたけど、ほんとそれなって感じで子供相手だからって適当な返事をしないレオンのいい意味で愚直なところが好きでした。










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