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ときん師匠に落語を聴いて頂きました

「トリネタ研究会」という落語会をやりました。

僕と美るく姉さん二人で、真打ゲストを呼んで、ダメ出しをしてもらおうというシンプルな落語会です。

第一回目は三遊亭ときん師匠をお招きして、僕の『明烏』と美るく姉さんの『妾馬』を聴いて頂きました。

二人とも二つ目になってすぐにやったトリネタで、姉さんは久しぶりと仰ってましたが、僕は当時はかなりやっていて、最近またやるようになったネタです。

明烏は廓噺の中でもライトな方で、説明もあまり要らない内容なんですが、それでも聴き慣れない言葉が入ってきたり、そもそもの吉原の場所や、上がるシステムを理解している人は少ないため、なかなか現代では難しくなっていく噺なのかもしれません。

『明烏』

明烏は、「ウブな若旦那が、町内の若い者二人(源兵衛、多助)に吉原に騙して連れて行かれる」という内容で、とてもシンプルです。若旦那はお金がかなりありますから、この二人も大店で遊べるというので喜んで行くわけですね。

「ウブな男に女を経験させる。」名目はそうですが、自分たちも楽しみたいわけです。普段なかなか出来ない遊びですからね。安いお店にばかり行ってるわけで。

ただ、この女を経験させるという事が、今の人からすると引っかかる部分もあるようです。これは特に女性の意見が多くて、「可哀想」とか「せっかく真面目に育ってる人をなぜ無理やりそっちの道に引き込むんだ」っていう意見と、色々出てくるわけです。

チャキチャキの噺家なら、「そんなの知らねえ、落語はそういうもんだ。」って突き進むんでしょうが、僕の場合は初心者の方に聴いてもらいたいので、そう簡単に突き放すことも出来ないんですね。

かと言って、そういう部分を排除するわけにもいけないので、大幅な変更をしたわけではないですが、昨日はそういうことも考えながらやらせてもらいました。

落語家に落語を聴いてもらうという事

落語家が落語を聴くというのは「演者目線」になるわけでここが普通のお客さんとは少し変わってくると思います。

お客さんは自分がやるつもりでは聴いてないですからね。たまに自分でやるつもりで聴いているお客さん(落研、天紅蓮の方)も居ますが、大体はただ面白いかどうかで聴いています。

それが落語家になると全然違います。むしろ客目線はほぼありません。人の落語を聴く場合は、その人がどう台詞を構築しているのか、どうやって笑わせるのかばかり気にしています。

たまに、そんなことも忘れて「客モード」で聴いている時もありますが、そんなのは年に一回くらいです。

三遊亭ときん師匠

第一回目は、ときん師匠にお越し頂きました。かなり謙遜されておりましたが、僕らとしては憧れのTEN(10)というユニットをまだそういうものがない頃から始めたり、学びたいところが沢山ある師匠です。

たぶん、キャリア的なものを心配されておりましたが、やっぱり「二つ目」と「真打」ってキャリアの長さだけでなく、覚悟というかそういうものが違うんだなあと、昨日の高座を聴いていても感じました。

二つ目時代のときん兄さんと全然違いました。そんな兄さんから頂いたありがたい言葉が沢山ありましたが、それは落語会にお越し頂いたお客様だけ聴けるということでここでは申し上げません。

『明烏』はときん兄さんはやらないそうで、師匠の金馬師匠や大師匠金翁師匠もあまりやるイメージがないそうです。古今亭の噺ですものね。むしろ若手の方がこのネタをやっているような気がします。

でも逆にやらない兄さんだからこその視点で色々とご指摘頂いて有り難かったです。お客さんもそれを聴いてウンウンと頷いてたんで、ウケなかった理由がよく分かりました(笑)

昨日はそんなとても有意義な時間を過ごせました。

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ときん師匠とツーショット。

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会場のお江戸両国亭に貼ってあった「コロナに負けない」。

さあ、頑張りましょう。

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