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令和五年 2023年のネタ帳

今年も最後の高座が終わりました。今年はコロナ以前のように高座数が戻ってきたのが印象的で、真打になって寄席の出番が増えたことも要因だと思います。ネタに関しての考え方は人それぞれで、同じネタをなん度もやる人もいれば、種類を多く色々なネタをやる人もいます。わたしは後者のタイプで、出来るだけ色々なネタをやりたい方です。

去年のネタの種類が38種類で、これが多いか少ないかは他の人と比較してないのでわかりませんが、わたしの中ではとても少ないと感じました。というのも持ちネタ(今まで覚えたネタ)が120席ほどあるのにその内38席ということは、持ちネタの内の約1/3しかやっていないということです。そう考えるとやっぱり38席というのは少ないと思って、今年は決意新たに挑みました。今年立てた目標は三つです。

①50席以上のネタをやる
②偏りを減らす
③1回しかやらないネタを減らす

①は、去年が38席だったので目標を明確に設定しました。特に数えながらやっているわけではないですが、出来るだけ色々なネタをやろうと心がける一年でした。
②偏りを減らすというのは、一つのネタを何度もやり過ぎないということです。どんなに多くても30回以内におさめたいですね。以前は1位と2位のネタで全体の半分を占めていたりして、偏りがかなりあったので。1位の「みそ豆」を100回以上やっている年もありました。
③1回しかやらないネタが以前は多くて、これも減らしたいと思っています。せっかく覚えたネタですからね。大事にしたいです。

そんなわけで今年のやったネタを数の多い順に並べてみました。今年は全部で49種のネタをやっていました。50以上はやりたいと思っていたので、少し足りませんでしたが、あと一歩ですね。来年は60席以上を目指して頑張ります。

順位とやった回数をランキングにしました。右の数字はやった回数で、数が同じ場合は同率順位としました。以下ランキングです。

1位 洒落番頭 26
寄席に入れば必ず1日はやって、それ以外でもかなりかけました。
2位 権兵衛狸 牛ほめ 19
「牛ほめ」は地方でやるネタで、「権兵衛狸」は寄席でかなりやりました。
4位 一分茶番(権助芝居) 17
「一分茶番」全部をやったというより、前半の「権助芝居」がほとんどです。
5位 みそ豆 14
地方でやったネタです。
6位 寿限無 13
小学校公演、浅草など、初めてのお客様が多い時にやりました。
7位 紀州 12
笑いが多く欲しい時にやりました。
8位 鮑のし 11
寄席でのみやったネタです。
9位 初天神 甲府い つる 10
「初天神」は数年ぶりに思い出しました。「甲府い」は今年のハイライト。国立の花形でやったのと、ナツノカモさんの会でやったのが印象的です。
12位 看板のピン 9
このネタが寄席の深い時間(後の方に上がること)で出来たのが嬉しかったです。
13位 お菊の皿 松竹梅 青菜 8
「お菊の皿」は学校公演でかなりやりました。
16位 錦の袈裟 幾代餅 たらちね 7
「錦の袈裟」は好きな噺ですが、まだハマってこないネタです。これでいつかガツンと笑わせたいですね。
19位 たがや 時そば 明烏 百川 6
「百川」も今年久しぶりにやったネタですが、独演会以外ではしっくり来なかったですね。
23位 権助魚 淀五郎  中村仲蔵 崇徳院 5
「淀五郎」も今年のハイライトです。独演会で覚えたネタですが、福岡ではお客様に響かずショックを受けました。まだまだ磨きたいです。「中村仲蔵」とあまり棲み分けせず、両方やっていきたいです。
27位 狸札 火事息子  鰍沢 真景累ヶ淵宗悦殺し もう、この春が来ないとしても 芝浜 四段目 茶の湯 短命 壺算 4
「宗悦殺し」は雲助師匠とのリレーのために2回かけてから望みました。思い出のネタです。「もう、この春〜」は好きで覚えましたが、とにかく覚えるのに苦労した印象で、あっという間に忘れてしまいました。
37位 文七元結 棒鱈 黄金の大黒 七段目 子ほめ 3
「七段目」はもう少したくさんやっても良いですね。「子ほめ」を3回しかやってないのは初めてかもしれません。
42位 真景累ヶ淵お久殺し〜土手の甚蔵 真景累ヶ淵聖天山  寝床 たいこ腹 2
「寝床」は来年もっとやりたいですね。トリに回ったらサクッとできるようにしておきたいネタです。真景の二席は企画の会でやったものです。来年も真景は何席かかけたいですね。
46位 道灌 あくび指南 片棒 井戸の茶碗 1
「井戸の茶碗」は今年数を減らしましたが、地方などでもっとやって良いネタですね。「あくび指南」もたくさんやりたいです。「片棒」を一回しかかけてないのもなんだか不思議です。
(全49種)

以上です。こうして可視化すると自分の傾向がよく見てとれます。たくさんかけているものはやっぱり自信があるのは明白で、順位が下がるほどしっくりきていないネタなのかもしれません。ただ下位にあるネタでも大ネタなどはそもそもかける機会が少ないものもあるので、下位にいる軽いネタは来年に強化候補となるものなのかもしれません。

ちなみに、1ヶ月で2回やると年に24回になります。一つのネタの上限はこれくらいにしておきたいです。今年で言えば「洒落番頭」以外はその数まで行ってないので、そういう意味ではばらけさせられたかなあと思います。

上限を24下限を5くらいにして、満遍なく10回前後やっている状態にさせられれば、おそらくですがかなりの常連さんを除いて「いつ行っても違うネタをやっている芸人」に近づけると思います。

それを達成出来る方が良いのかは別として、このネタの考察は続けて行きたいと思います。

来年をお楽しみに。

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