1年間の絶縁がもたらしたもの
S君が、YouTubeの投稿をしなくなったので、いたく心配していた。
久々にLINEするか、と画面を立ち上げると、もう1年近くもS君とLINEをしていなかった。
思い返せば、最後に会った時、彼は今まで見せた中で一番、心細そうで、消え入りそうな表情をしていた。
あれは、やはり暑い日で、温泉地の真ん中にある池のほとりで、私はS君と話す機会を得た。
別れ際に見せた、あの泣き出しそうな顔を、私は忘れない。
S君の故郷には彼の理解者がいないのだ。
そのアイデンティティを認め、尊重し、