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モラトリアム少年

彼は恵まれた人間だったと思う。 大金持ちとは行かずとも、彼のしたいことは叶えてくれる両親がいて、私立の中学に行き、有名私大の附属高校に進学し、彼が高校3年生で美大に行きたいと行った時にはその訴えを了承し、予備校に通うことを許可し、無事に美大に合格した。 実家からそれほど遠くない場所にも関わらず、一人暮らしをしたいと訴えた時はその訴えに応じ、 くだらないことで警察のお世話になったその日も頭ごなしに叱りつけるのではなく、ヒアリング、 つまりは精神科医のカウンセリングのような形で彼

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