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エンジニア兼VPoE 郭岩松さん

こんにちは、Humans of Meidaiです。
OPTIMIND特別企画第2弾!
今回のインタビューは、株式会社オプティマインドの創業メンバーの1人であり、エンジニア&VPoEという役割を担う郭岩松(Guo Yansong)さんです!

・学問や研究が好きだけど、将来どういう仕事をしよう?
・自分の研究していることを社会に活用するために働きたい。
・博士課程終了後のキャリアが気になる...

と考えているアカデミックな学生の皆さん、ぜひご覧ください!

株式会社オプティマインドとは

「世界のラストワンマイルを最適化する」をミッションに掲げ、配車管理システム「Loogia(ルージア)」を開発・提供する、2015年創業の名古屋大学発ITベンチャー。”次世代を担う30歳未満30人の日本人を表彰する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2020」”の「BUSINESS」カテゴリーに代表取締役社長 松下健が選出されるなど、急成長中のテックベンチャーである。

郭岩松(Guo Yansong)さんのプロフィール

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1992年中国出身、高校受験を機に日本へ移住。
名古屋大学理学部を卒業、名古屋大学修士課程では中間質量ブラックホールの研究結果において理学研究科顕彰を受賞。現在、名古屋大学素粒子宇宙物理博士後期課程に在籍。大規模宇宙流体計算のため最先端アルゴリズムを開発、HPCを用いて衝撃波数値計算を実行。株式会社オプティマインドではVPoE(Vice President of Engineer)として、主に多点間経路探索、ナビ開発、社内エンジニアカルチャーの構築を担う。
クラウドサービスを用いたインフラ構築(kubernetes, AWS Lambda, IaaC)や、日本の複雑な道路事情を考慮した多点間経路探索のアルゴリズム開発に強みを持つ。株式会社オプティマインドの創業メンバーの1人として、0からプロダクト開発、組織作りに幅広く携わる。

エンジニアの業務、そしてVPoEとは?


袖浦
 早速ですが、郭さんは現在、株式会社オプティマインドでどのような業務を担当されているのですか?


 僕が担当している業務は大きく分けて二つあり、一つはエンジニアとして「多点間経路探索」のアルゴリズム開発を行っています。もう一つはVPoE(Vice President of Engineer)として、メンバーのスキル向上のため教育機会を提供したり、エンジニア採用に携わっています。弊社では、社内の技術開発全般に関してはCTOが担い、VPoEは特にエンジニアの能力開発・採用・社内カルチャー構築を担うという違いがあります。


袖浦
 なるほど。プロダクト開発部内でもCTOとVPoEで役割がそれぞれ分かれているのですね。
 また、VPoEという役職は初めて聞きました!


 そうですね。アメリカのスタートアップではVPoEを積極的に採用していますが、実は、日本ではVPoEという役職を置いている企業はあまり多くはありません。
 弊社では、CTOが技術開発全般の業務を担い、VPoEがエンジニアのスキルアップをサポートするという役割分担をすることで、よりスムーズな社内開発環境を整えることができています。
例えば、VPoEとしてインターンの学生さんに対して技術レクチャーを行ったり、メンバー個人の興味分野や得意分野に合わせてタスクを考えたりしています。
 また、エンジニアだけでなく営業チームに対して技術サポートを行い、逆に営業チームから現場の声を吸収しプロダクト開発に生かすことあります。
社内メンバーに対して積極的に技術面でのインプットを行うことで相乗効果が生まれ、メンバー全員が高いモチベーションで業務に注力できると考えています。

物理に熱中した学生時代

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袖浦
 エンジニアとVPoEの両輪でご活躍されている郭さんですが、学生時代はどのように過ごされましたか?


 僕は高校生の頃プログラミングを始めました。授業よりもプログラミングの方に熱中していました。大学生では名古屋大学の物理学科に入学し、数式を使って計算するのが楽しくてひたすら物理に没頭していました。そして気付いたら博士後期課程まで進んでいました。

袖浦
 学部生時代はひたすら物理に没頭していたんですね。大学院時代はどうでしたか?


 大学院生の時には物理学を専攻しつつ、リーディングプログラムという、「宇宙」に関する最先端の知見や技術を産業界に生かすことを目的とした特殊なプロジェクトに参画しました。(https://www.frontier.phys.nagoya-u.ac.jp)
 宇宙フロンティアを専攻し、人工衛星ミッション開発プロジェクトを立ち上げました。人工衛星ミッションの実行可能性を調査し、真空環境内での衛星シュミレーションを行い、実際の人工衛星打ち上げを目標としてプロジェクトマネジメントを行うといった経験をしました。
また、リーディングプログラムを通じてデータ循環専攻のCEO松下や創業メンバーに出会いました。

袖浦
 創業メンバーとの出会いは大学院時代なのですね。

「最先端の研究を実社会に活かしたい」

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袖浦
 どのような経緯でオプティマインドに参画することになったのですか?


 名古屋大学の博士課程では、研究室で中間質量ブラックホールと分子雲の相互作用について数値計算を行い、リーディング大学院で人工衛星プロジェクトのマネジメントをしていました。学術分野での研究を深めるにつれて「自分の研究をどのように実際の社会に生かすことができるのか?」という問いが生まれました。
 リーディング大学院を通じて、オプティマインドを知り、当時はまだ事業内容は決まっていませんでしたが、「アルゴリズムを用いて社会問題を解決したい」という強いモチベーションで活動しているオプティマインドのメンバーに出会い、何か貢献できるのではないかと思い参画することを決断しました。
 参画当時はメンバーは僕を含めて4人、業務内容も今とは違うことをしていました。
 そこから、人手不足という問題を抱える配送業界の課題解決のためにラストワンマイルの最適化に焦点を当てて創業しました。

袖浦
 キャリアを選択する上で、スタートアップを立ち上げるというのは踏み切った選択ですが、どのような想いでこの選択をされましたか?


 確かに、今思えばかなり大胆な選択だったと思います。
 株式会社オプティマインドでの仕事と研究室での研究について比較をすると、どちらも同様に高いレベルの忍耐強さ、精神力、多角的知見が必要ですが、相違点としては、弊社では最先端の研究や新しい研究テーマを自身で発見して取り組むことができ、また一つのプロダクトの中でも様々な研究課題があり、マルチタスクで研究を深めることができます。
 一方で、研究室の研究は基本的には一つの研究課題を数年間に渡り研究します。成果が出せるかどうかは「運」も大きな要因です。「運」が良かったらすぐ新しいものが発見できるし、「運」が悪かったら数年たっても結果が出せないことがよくあります。
 弊社では目標に対してチームで取り組んでいるため、個人の得意分野に合わせて研究開発ができることがとても楽しいです。
 また、お客様からのフィードバックという形で研究の成果が目に見えるのが達成感につながります。
 僕は研究を深めることが好きなので、将来的に時間に余裕ができたらまた宇宙についての研究分野に戻りたいと思っていますが、オプティマインドの仕事は今しかできないと考えて参画を決めました。

袖浦
 なるほど。スタートアップ立ち上げは確かにタイミングを逃すとなかなかできないですよね。研究室の研究と実際の業務ではそのような違いがあるのですね。

後輩への一言

袖浦
 研究や就職など、これからキャリアを選択する後輩たちに向けてなにか一言お願いします!


 将来どのようなキャリアがいいのか、漠然とした期待と不安を抱えている方もいるかもしれませんが、どんどん新しいことにチャレンジをして、チャンスを逃さず、後悔しないような人生設計を行ってください。キャリア選択の際には視野を広げて、様々な可能性を考えてから選択すると良いと思います。
 意欲のある学生さん、少しでも興味を持ってくれた学生さん、株式会社オプティマインドでお会いできるのを楽しみにしています!

まとめ

 今回は株式会社オプティマインドで働く郭岩松さんにインタビューさせていただきました。

・物理に没頭した学生時代
・大学院時代の出会いから株式会社オプティマインドの創業メンバーに
・最先端の技術を実社会に生かしたいという熱い想い

自分の信じる道を選択し、エンジニアからVPoEまでマルチな活躍を見せる郭さん。

 郭さんのように、自分のやりたいことや適性を見極めた上でのスタートアップ立ち上げという選択は、参考になるのではないでしょうか?


次回の記事もお楽しみに!


取材:袖浦雄也

執筆・編集:上条剛寛

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