資金繰り_

資金繰りに困らない経営(資金繰り表の作成)

(1)資金繰り表の作成メリット

資金繰り表は「いつ、いくらのお金が入ってきて(収入)いくらのお金が出ていって(支出)、いくら残るのか(経常収支)」の予定を記入したものです。

収入と支出の予定が一目でわかりますから、資金が足りなくなる前に調達の準備をすることができるようになります。

⦿資金繰り表の作成メリットは次のとおりです。

①資金不足に対するリスク対応を早めにできるので、経営の安定度が向上する。

②たった1枚の紙(表)で、売掛金の回収、買掛金の支払い、経費の支払い、支払利息等、会社のお金の動きを把握できる。

③資金調達時に、融資担当者に対する合理的な説明をサポートしてくれる有力なエビデンスとなる。

(2)資金繰り表の作成に必要な情報

資金繰り表を作る目的は、予定される支払いと代金回収のタイミングを見計らい、資金が不足する場合には借入などによっ

て不足分を補いながら会社の支払い業務を円滑に行うことにあります。

このため、資金繰り表の作成で最も大事なことは、毎月の収入と支出の中身を正確に分析して見積もりをすることです。

⦿資金繰り表の作成に必要な情報は次のとおりです。

①すべての取引口座の通帳

②現金出納帳

③売掛金台帳

④手形帳

⑤借入金明細

⑥法人用クレジットカードの明細

⑦リース明細

⑧法人用生命保険証券・明細

⑨販売管理費予算管理表

⑩その他、収入と支出に関する書類

(3)資金繰り表の作成方法

資金繰り表の作成に必要な情報を用意したら、〔資金繰り表サンプル〕を参考に、数字を入れていきます。⇒資金繰り表サンプル集を見てください!

資金繰り表の作成に必要な情報を用意したら、〔日単位の資金繰り表サンプル〕を参考に、数字を入れていきます。

※実際の日単位の資金繰り表は自社の事情に合わせて使いやすいように作成してください。

※実際の資金繰り表は自社の事情に合わせて使いやすいように作成してください。

(4)資金繰り表の活用方法

なぜなら、資金繰り表を活用する最大の目的が、資金不足の早期発見と資金調達等による適切な対応だからです。

また、資金繰り表を活用することで、売上・仕入・経費の中身の分析ができます。

例えば、売上の場合なら現金と売上債権(売掛金・手形)のバランスに問題はないか、債権回収に問題はないか等がわかり

ますし、人件費が急激に増加していないか、諸経費に異常がないか等もわかります。

その結果、分析内容に応じた有効な対策を考えることもできるようになります。

つまり、キャッシュフロー管理活動を通して、会社の経営診断と、その結果に対する対策作りができるわけです。

これは、人間に例えるならば、健康診断による病気の早期発見と、その結果に対する医師の所見ともいえます。

(5)資金繰り表の注意点

資金繰り表は、月次で作成するのが一般的ですが、月単位で作成しても、資金繰りが改善しないケースがあります。

これは、月中で資金不足が起きているときです。

例えば、繰越した月末の資金残高が1,500万円あったとします。

翌月5日に500万円、10日に500万円、15日に500万円の仕入代金の支払いをしなければなりませんが、25日には従業員への給与の支払いで1,000万円が必要です。

この場合、15日の時点で1,500万円の手元資金が無くなり、25日の給与支払いはマイナス1,000万円の資金不足の状態です。

つまり、15日の時点で手元資金1,500万円が無くなり、資金不足が発生しているわけです。

一方、当月末には3,000万円の売上収入が予定されており、月間の経常収支では2,000万円の黒字になっています。

このような場合、月末の経常収支だけを見ていると黒字になっているので問題ないように見えますが、実際には、月中で資金が不足しています。

したがって、資金繰り表の注意点は、月次の経常収支だけでなく、月中の資金不足にも十分に目配りすることが重要だということです。

この対策としては、日単位での資金繰り表も作成することで資金不足のリスクを回避します。⇒資金繰り表サンプル集を見てください!

 

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