原価計算の基本②
■原価の分類と原価計算の手順
1.製造原価・販管費(販売費及び一般管理費)
原価計算は原価を分類することから始まります。
まず、製造原価(製品原価)と販売費及び一般管理費(期間原価)に2分類します。
製造原価は製品にかかる原価であり、「製品原価」ともいいます。
一方、販売費及び一般管理費は個別の製品ではなく、その期間の売上全体にかかる原価と考えることにしています。その期間の売上(収益)の原価なので、これを「期間原価」といいます。
製品原価と期間原価の関係は、損益計算書を見るとよくわかります。
損益計算書で、まず売れた分の製品原価として売上高から差し引くのが「売上原価」です。
しかし、期間原価は売上原価と一緒にできないので、「販売費及び一般管理費」として、その後で差し引かれます。
製品原価と期間原価を合計したものが総原価です。
2.原価の3要素(材料費・労務費・経費)
製造原価は、何の費用が発生したかという観点から3つに分類されます。
これを原価の3要素といいます。
(1)材料費
使った材料の原価
(2)労務費
作った人の人件費
(3)経費
材料費・労務費以外の原価
3.原価計算の手順
原価計算の手順は次の通りです。
(1)費目別計算
会社の経理から原価の情報を受領し、材料費・労務費・経費に3分類します。
この時に、直接費と間接費にも分類します。
➀直接費
どの製品の製造のために使ったかが直接的にわかる費用を直接費といいます。
直接費は「直接材料費」・「直接労務費」・「直接経費」に分類できます。
②間接費
どの製品の製造のために使ったかが直接的にわからない費用を間接費といいます。
間接費は「間接材料費」・「間接労務費」・「間接経費」に分類できます。
(2)部門別計算
原価には、それぞれ発生した場所があります。
費目別計算した原価はいったん、発生した場所(部門)別に集計して計算します。
(3)製品別計算
集計した原価を完成した製品の数で割るなどして、最終的に製品ごとの単位原価を計算します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?