管理職の基本②
■女性管理職の価値
(1)観察眼を活かしたコミュニケーション能力
対外的な交渉や社内の対応でも必要となるコミュニケーション能力は、女性の得意とするところでしょう。部下の現状把握やメンタル面のケアができるなど、観察眼を活かした仕事ぶりが大きな価値となります。
(2)適度な強度のチームワーク
男性的な引っ張っていくリーダーシップマネジメントとは違い、人間関係をベースとした結束力のあるチームワークを形成する傾向のある女性管理職なら、程よい強度を持った調整型のマネジメントが可能になるのも大きな価値といえます。
(3)社内でのロールモデル化
女性管理職が少ない一因でもあるロールモデルの少なさ。これを解消できることが大きな価値となります。たくさんの女性が管理職として活躍していれば、「あの先輩のようになりたい」と管理職をキャリアパスに加えてもらえる可能性も上がります。
(4)部下が相談しやすく、状況が把握できる
特に女性社員の場合は、男性の上司に人間関係やプライベートなどの悩みを相談しにくいと感じることもあるでしょう。しかし女性管理職であれば同性という話しやすさもあって、部下の状況を把握しやすくなる点も大きな価値です。
(5)多様性を持った組織の構築
管理職が全員男性という均質性の高い組織であった場合、グループシンクに陥る可能性があります。
グループシンクというのは集団浅慮(せんりょ)とも約される言葉で、集団で合議を行う際に皆が同じ意見であることから不合理な決定であっても容認されてしまう状態のことを指します。女性管理職を登用し、多様性のある組織を構築すればグループシンクを防ぐという大きな価値も感じられることになります。
(6)人材の獲得と流出防止
「内閣府男女共同参画局」が発行しているデータによるとミレニアル世代(1980年~19995年生まれ)の就職先選定には、「企業の多様性・平等性・受容性についての組織方針」を重視していることが明らかになっています。
また、多様な組織で働いていると感じられている従業員は、そうでない従業員に比べて5年以上長期で勤続する予定であると回答しています。この結果を見るだけでも、優秀な人材を獲得し、流出を防止するには多様性を持った組織であることが重要だとわかります。
■知っておきたい会社法の知識
会社法とは、2005 年に成立し、2006 年に施行された法律です。
会社法が成立するまでは、会社についてまとめた 1 つの法律がなく、商法の一部や有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に会社についてのルールが記載されていました。
しかし、会社法の施行により会社に関する法律がまとめられ、一元化されました。そのため、会社法の基本は商法や有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律にあると言えます。
(1)会社とステークホルダー(利害関係者)
ステークホルダーとは、企業が活動を行うことで影響を受ける関係者を指します。
一般的には、「利害関係者」と説明されることが多いですが、利害というと株主や取引先、従業員など、金銭的なつながりがある人や組織を連想しがちです。
しかし、ステークホルダーの範囲は「企業活動によって何らかの影響を受けるすべての者」であって、金銭的なつながりに限られません。
企業が市場シェアを伸ばすことで影響を受けるライバル会社や、雇用の増減などで影響を受ける地域社会も、すべてステークホルダーに該当します。
そのため、ステークホルダーは企業と関わりのあるすべての組織•人と考える必要があります。
<主なステークホルダーの例>
企業の発展のためには、ステークホルダーとの信頼関係が欠かせません。そのためには、企業が活動したり意思決定したりする上で、ステークホルダーの期待や関心を把握し、それに応えることが必要です。
ステークホルダーの期待や関心を理解するための取り組みを、「ステークホルダーエンゲージメント」といいます。
<ステークホルダーエンゲージメントの例>
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