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原価計算の基本③

■製造間接費

1.製造間接費の分類
 
(1)製造間接費とは何か
製造間接費とは、特定の製品に対して消費額を直接的に計算できない、共通的・補助的に消費された原価要素をいいます。
 
(2)製造間接費の分類
製造間接費は、「間接材料費」・「間接労務費」・「間接経費」に分類できます。

(3)直課(ちょっか)
直接材料費や直接労務費などの製造直接費は、製品ごとの材料消費量や作業時間にもとづいて直接的に各製品の原価を計算することができました。
製品に対してこのように原価を直接課す方法を「直課」といいます。
 
(4)配賦(はいふ)
水道光熱費などの製造間接費は、どの製品にいくらかかったのか直接的に計算できない原価であり、直課することができません。
そのため、「配賦」という計算を行ないます。

2.部門別製造間接費の集計

(1)部門別計算
費目別計算が済むと、次のステップは部門別計算です。
費目別に分類・集計した原価を、今度は部門別に分類・集計します。
 
部門別計算の目的は次の通りです。
➀製造間接費が細かく配賦できる
製品製造のプロセスにそって部門別に分け、細かく配賦することで、より正確な原価が計算できます。
 
②原価管理がしやすくなる
原価計算の目的の1つである「原価管理」のためにも役立ちます。
計算の途中で部門別の原価が集計されるので、どこに問題があり、どの部門に責任があるかがつかみやすくなります。

(2)原価部門
部門別計算の「部門」は、会社の部署とは必ずしも一致しません。
そこで、原価計算上の部門はとくに、「原価部門」といいます。
原価部門には、大きく分けて「製造部門」と「補助部門」の2つがあります。
製造部門は直接、製造作業を行なう部門で、部門別計算で原価が集計される部門です。
一方、補助部門は、製造部門を補助する仕事の部門で、直接的には製品の製造をしていません。そのため、補助部門で集計された原価は、最終的には製造部門に割り振ることになります。
 
⦿製造部門
(例)機械制作工場の場合
鋳造、鍛造、機械加工、組立てなどの部門
 
⦿補助部門
(例)【補助経営部門】 動力部、修繕部、運搬部、工具制作部など、直接的に製
品の生産にタッチしない部門
【工場管理部門】 材料部、労務部、企画部、試験研究部、工場事務部など、工場全体に渡って管理的な業務を行なう部門

3.製造間接費の配賦計算

(1)製造間接費の配賦
製造間接費は、特定の製品に対して消費額を直接的に計算できない原価要素なので、このままでは製品別に集計することができません。
しかし、製造間接費を何らかの方法により製品別に集計しなければ正しい原価を把握できません。
このように各製品に製造間接費を割り当てる手続きを「配賦」といいます。
 
(2)製造間接費の配賦基準
製造間接費は、製品ごとの作業時間、直接材料費や直接労務費などの金額、生産数量などを使用して製品別に配布します。
このような製造間接費を配布するために用いられる時間や金額などを「配賦基準」といいます。
 
(3)製造間接費の配賦額の計算
製造間接費は、製品ごとの作業時間、直接材料費や直接労務費などの金額、生産数量などを使用して製品別に配布します。

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