しぶいSHISHAMO ~SHISHAMO『SHISHAMO7』レビュー~

 久々に音楽ネタの記事です。ガールズバンドとして、かなりコンスタントにキャリアを重ねてきたSHISHAMOの最新アルバムを簡単にレビューしてみます。

 ジョン・レノンは名盤『ジョンの魂』について、自ら「しぶいアルバム」と言ったらしいです。アルバムを聴いてみると確かに、シンプルなアレンジの曲が並んでいて「しぶいアルバム」という表現もしっくりくる感じがあります。って、なんでSHISHAMOのアルバムのレビューなのにジョン・レノンの話なのかっていう突っ込みがありそうですが、この『SHISHAMO 7』というアルバムを聴いてみて「しぶいアルバム」という表現がしっくりくるような気がするのです。

 前作『SHISHAMO 6』でもすでにその「渋さ」は感じられたような気がします。SHISHAMOというと、歌詞の世界観に大きな特徴を持ってるバンドな気がするのですが、その世界観はそのままに、音が最小限まで絞られているというか、シンプルなバンドサウンドでセッションをしているのがそのまま音源になっているような、そんな曲が多いような気がしています。

 リード曲であり、アルバムの最初に配置されている「中毒」からしてそうです。歌詞もあいまって、全体的に少しヘビーな感じを醸し出していて、ブルースっぽさすらあるような感じがします。

 アルバム中盤では「明日はない」でシンプルなロックンロールを聴かせた後(この曲、ライブで盛り上がりそうです)、同じく既発表曲の「明日の夜は何が食べたい?」でシンプルに女心を描きます。このあたりは手堅くまとまっている雰囲気です。その後「ドライブ」といった(このアルバムの中では)軽やかな曲を挟みつつも、シンプルなアレンジの曲が続き「夢で逢えても」でアルバムを閉じます。

 そんなわけで、シンプルなバンドサウンドを聴かせるアルバムになってるわけですが、その点、評価は分かれそうです。決して聞きづらいアルバムだとは思いませんが、キャッチ―さにやや欠けるところがあるのも事実なので、人によっては56分聴いているうちに飽きのようなものを感じてしまうかもしれません。

 でも、ここではあえてそんなストイックな彼女たちの姿勢に敬意を表したいと思います。7枚ものリリースを経て、一貫した音楽をやっていくということは簡単なことではないと思うからです。どうか今後も、彼女たちの音楽が、ぶれずに鳴り続いていきますように。

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