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文化を新しく作り直す

リサイクルの再定義
 
リサイクルという言葉を改めて調べてみると、広辞苑とAmerican Heritage Dictionaryには夫々、「資源の節約や環境汚染防止などのために、不用品・廃棄物などを再利用すること。」、「1. To put or pass through a cycle again, as for further treatment, 2. To reprocess and use again: recycle aluminum cans」とあります。我々日本人の感覚では、広辞苑の解釈が近いように思います。
 株式会社ReBuilding Center Japan(通称:リビセン、本社:長野県、以下同社)は、ウェブサイトのトップページで一度だけ「リサイクル」という言葉を使い自らを「古材と古道具を販売する建築建材のリサイクルショップを営んでいる」と述べておられますが、他の頁では一切この言葉を使わず、行き場を失ったものをレスキューして現代社会に合うように加工あるいは再配置することにより文化を見つめなおし新たな文化を創り出すことも試みているようです。同社ウェブサイトの「About Us」の頁に同社事業の考え方と方向性が簡潔に述べられていますのでここでは再掲しませんが、是非一度ご覧ください。
 筆者が同社に興味を抱いたのは、古い家の床板を取り外す作業をした後それを加工して他の用途を提案していくビジネススタイルを紹介するテレビ映像を見てのことでした。古物をそのまま奇麗にして再販するのもリサイクルならば、床板のように古くなった床板を加工して、木材として再利用するのもリサイクル、それをさらに加工して、例えばですが写真枠のようなものにして使うとか、小さな家具に作り直すのもリサイクルなのでしょう。しかし、ここで現代社会において使われる物、鑑賞される物に加工する工程が入ることで、廃棄される運命にあった材料が現代社会を生きる人々に喜ばれる物に生まれ変わることで生を吹き返す、そのプロセスは、冒頭の広辞苑に記された少々受け身な意味合いの「リサイクル」という言葉を、積極的に新しいものを生み出していくということに重点があるように変化させているように思います。これぞ真のリサイクルと思いますが、同社は、この言葉を殆ど使わず、社名にも「Rebuilding」という言葉を使用し、文字通りにそれを体現しつつあるようです。
 同社のような活動が今後全国各地で増えてくることを期待しつつ、その先頭を走る同社の益々のご活躍とご発展を祈ります。(AS)
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