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ABD読書会(Third Way) 2020.1.11

私の大学院の後輩であるNSさんと私とふたりでやっている『TSURIGANE読書会』が主催する”ABD読書会”の報告です。

1月11日(土)の午後に開催しました。既に2週間以上過ぎてしましたが、私が尊敬する人のひとりである、MOTHERHOUSE代表取締役社長兼チーフデザイナーの山口絵理子さんが昨年出版された「Third Way」を使わせていただき、ABD読書会を行いました。
https://www.mother-house.jp/

ABDをご存知ない方もおられると思いますので、少し説明させていただきます。
1冊の本を複数の人で分担して読みます。例えば、「Third Way」の場合は、1章~5章の構成になっていますので、1人1章という形で分担します。
そして、予習なしで、読書会に参加していただいた5人の方で分担して、それぞれの担当のところをみんなで一斉に制限時間を決めて読んでいきます。そして要約(コ・サマライズ)します。
今回であれば、1章の要約のB5用紙5枚(1枚に6-7行が目安)で各個人が要約し、時間がきたら、貼り出します。
そして、1章から順に、自分の担当部分をプレゼンしています。これも持ち時間に制限をつけます。
そうすることで、1章からの話が見えてきて、例えば4章だけ読んだ人も、全体の話が見てきます。
そして、最後に対話(ダイアローグ)をします。そのまえに、サマライズした紙に、気になったところ、もう少し突っ込んで聞きたいところなどに、印をつけてもらいます。
その印のところをキーワードして、対話します。
読む、コ・サマライズ(まとめる・書く)、プレゼン(話す)、ダイアローグ(対話する)と、人間の色々な機能をフル活用して1冊の本読む。という方法です。
黙読することも大切ですが、この方法で本を読むと、自分だけでは気づかなかったことが気づき、理解が深まります。
コ・サマライズしたものを写真にとって、翌日、3日後、1週間後などに、読み返してもらう(リ・ビジット)ことで知識が定着します。
http://www.abd-abd.com/

今回は5人の方が対話されている中で、「第2章 デザインと経営のサードウェイ」の話題で少し気になることがありました。
ひとつは、「主観」の捉え方。対話のときに、主観でものをつくることに対して、何となく理解の相違があるなと感じた場面がありました。しかし、私はファシリテータをしていたので、最後まで自分の意見が言わず、話の場をホールドするに専念していました。

ここの章のタイトルは、「デザインと経営のサードウェイ」でしたが、その場の対話では、「主観と客観」を『二項対立』と捉えているのではないかと感じました。

この本になかでは客観的なマーケティングデータなどは参考にすることを、ここでは否定するのではなく、ただそれだけに縛られたり惑わされたすることなく、主観を大切にしてものづくりをすることだと理解していました。そして、その時に私の頭に浮かんだのは、スティーブ・ジョブズが、スタンフォードの卒業式の来賓スピーチの中で言った言葉、「Don't be trapped by dogma -which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. 」のフレーズ。この一部を引用して「自分の心に従う勇気を持つこと」が大切なんだよ。ということだと思います、と読書会の最後に少しだけ自分の意見を話させていただきました。

『二項対立』は、色々な場面で出てくることであります。それを上手く処理できないことにより、日本ではよく”玉虫色”の解決策や”足して2割る”という結果になったりします。
しかし、この本の中では、掛け算して、2つの課題を昇華させてひとつの上の次元で解決することを話されていると私は理解しています。その点に関して、参加された方の多くは同じように理解されていたようです。それを実践でどう具体的にやっていくかは、トレーニングが必要なのかなとも感じています。
この本をABDで読んでいくことで、参加者の方は本の内容を「自分事」として置き換えながら、対話することで、色々と考え、話し、そして気づきを得られたようです。後日、出席者の一人とお会いしたときに、あの本は勉強になりました。ABDも初めてでしたがとても面白かったです、と言ってもらえました。

次回は、2月22日(土)『FISH!』をABDします。
                                                                                                     2020.01.27 

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