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フィルム写真の基礎知識

はじめに

本ページをお読みくださりありがとうございます。
近年レトロブームによりフィルム写真が再評価され、ご興味を持たれている方が多いと存じます。そこでこのページではフィルム歴10年の趣味写真家の筆者が、「フィルムの規格と種類」「フィルムでの撮影から作品化までの大まかな流れ」を紹介いたします。


「フィルムの規格と種類」

フィルムの規格

現在主に流通しているフィルムの規格は以下の2規格である。

下が35mmフィルムであり、上がブローニーフィルムである。

①35mmフィルム(135フィルム)
1コマ24×36mmを規格としたフィルム。広く普及し一番一般的なフィルム規格である。デジカメのセンサーサイズであるフルサイズはこのフィルムの規格より来ている。まずはこの規格のフィルムを使用することをお勧めする。現在一般的な35mmフィルムは1本あたり36枚撮れる。

35mmフィルムの外装

②ブローニーフィルム(120フィルム、中判フィルム)
35mmフィルムよりも前に普及したフィルム規格。35mmよりもフィルムサイズが大きく描写力のよいレンズと併用した際に非常に精密な絵作りが可能となる。しかし、本フィルムを用いるカメラが35mmのカメラよりも大きく重く高額であり、フィルム1本あたりの撮影可能枚数が35mmフィルムよりも少なく玄人向けである。

ブローニーフィルムの外装

フィルムの種類

現在主に流通しているフィルムの種類は以下の3種類である。

①モノクロネガフィルム

モノクロ写真を撮るためのフィルムであり、明暗の反転したモノクロの像をフィルムに結像するフィルム。フィルムの価格が安く、比較的簡単に自家現像及び自家銀塩プリントできる。しかし、お店に現像を頼むとカラーネガフィルムよりも高い。

②カラーネガフィルム

カラー写真を撮るためのフィルムであり、実際の色と色相環で反対の色をフィルム上に結像するフィルムである。一番入手しやすく即日現像が可能なカメラ屋さんが多く、まずはこのフィルムを使用することをお勧めする。しかし、自家現像及び自家銀塩プリントの金銭的、技術的難易度が高い。

③カラーリバーサルフィルム(ポジフィルム、スライドフィルム)

現実の色と同じ色をフィルム上に結像するフィルム。プロジェクターで投影したり、光を透かしてルーペで見たりし楽しむフィルム。シビアな露出の求められるフィルムであり、フィルムの価格及び現像価格が非常に高いため失敗すると多くのお金を失い初心者には決してお勧めしない。しかし、ルーペで覗くと写真の世界の無限の広がりが感じられ感動ものである。いつかは使用してほしい、後悔はしない。

「フィルムでの撮影から作品化までの流れ」

フィルムでの撮影から作品化への大まかな流れを紹介する。

撮影

フィルムを購入しカメラに装填し、撮影する。撮影し終わったら、フィルムを巻き戻し、カメラから取り出す。

現像

撮影の完了したフィルムに化学反応を起こし目で見えるようにする。撮影済みフィルムをカメラのキタムラやビックカメラにもって行き「現像をお願いします」といえばOK。この現像を自分で行ういわゆる「自家現像」ということもできるが機材や知識が必要。

現像の完了したモノクロネガフィルム

作品化

現像したフィルムは小さく、色が反転しておりそのままでは作品にできない。デジタルスキャンするか、暗室で銀塩プリントをして印画紙に焼き付けることで作品として目に見えるようになる。現像をお店にお願いする際に同時にスマホ転送もお願いすると、現像したフィルムをスキャンしjpegにしてスマホに転送してくれる。銀塩プリントは自家現像同様、機材や知識が必要。

デジタルスキャンした作品
暗室で銀塩プリントした作品

まとめ

ここまでお読みくださりありがとうございます。以上の情報がフィルム写真を始めるにあたっての基礎知識となります。しかし、百聞は一見に如かずと言いますので、試しに「写ルンです」か「FunSaver」を買って、撮影し、カメラ屋に現像とスマホ転送をお願いしてみてはいかがでしょうか。理解が深まると思います。

次回予告

次回はフィルムカメラの種類の説明とおすすめのカメラ紹介を行う予定です。また次回もご覧いただけますと幸いです。

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