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現代を映したテレビ番組(後編)

チラッと映った『こもりびと』

 雅夫は多くのひきこもり当事者を、父親は多くのひきこもり当事者の父親を、それぞれミックスしたキャラクターであることは、ひきこもり関係者や当事者活動家の方々なら簡単にわかったはず。
 NHKスペシャルドラマ『こもりびと』は、それくらい見聞きしたことがある場面や発言、出来事がてんこ盛りのストーリーでした。

 また、子育てからひきこもり対応に至る「親が言って/やってはいけないリスト」の手本を演じさせられているかのような父親。さらには、支援側の問題点やひきこもり状態の背景にある今日的なテーマを盛り込んだり、雅夫と姪に社会批判を語り合わせたりと、脚本が幅広くカバーしていて感心しました。

 それから、前日に放送された『土曜スタジオパーク』で武田鉄矢さんが「最後にヒントになるひと言が」とおっしゃっていましたが、その言葉もわかりました。

 そして葬儀のシーン。ひきこもり状態から動き出して8か月後にあった父の告別式で最後の挨拶を任されたときのことを思い出しました。私は動き出して人の中に入っていましたが、生前父が私のことをこぼしていたのでしょう。終了後複数の参列者が「息子さんしっかりしてるじゃないですか」と、母に驚き交じりのほめ言葉を伝えてきたそうです。

 最後に「当事者が語るドキュメント部分」(写真の場所で撮影)の話。

 発言した顔ぶれは予想していた4人。私の発言はやはりカットされていましたが、顔が映っていてラッキーでした。全員いちどは発言したのに、顔さえ映らなかった人が2,3人いましたので。ただ、私は後ろのほうに座っていたため、終わったあと武田鉄矢さんに「ごめんエキストラだと思ってた」と言われました^^;

 そんなこんなで、釘付けになった73分間。濃く、辛く、そして優しいドラマでした。見逃したひとりでも多くの方に再放送をご覧いただきたいです(転載者注:末尾欄外に横浜市での上映会の情報を掲載しました)。

初出:丸山康彦Facebook『すごいドラマでした!』(2020年11月23日)

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※今回は、テレビ番組について論評した文章を2本転載しました。前編と後編の順番を時系列と逆にしたのは、後編で取り上げた『こもりびと』をもうひとつの作品『カンパニュラの夢』と交互に上映するイベントが控えているからです。開催日は1週間後の19日(金)。会場の横浜市役所に行ける方で、ご覧になっていなくてご関心を持った方、もういちど観たい方はぜひ!

※この日私は、東京都内でおとなひきこもりの相談や支援または当事者活動の従事者と志望者を対象とした研修会でゲストスピーカーをつとめます。該当する方はぜひご参加ください。

※さらに私は、あさって14日(日)、静岡駅近くの公共施設で午前は臨時面接相談「出張ヒュースタin静岡」を、午後はおとなひきこもり家族会の月例学習会の講演を、それぞれ行います。前者は1回限定でもいいから不登校またはおとなひきこもりについて相談したい方(当日朝9時までにメール申込)、後者は原則として家族の方(申込不要)。この機会にぜひ!

※また、今月は家族会「しゃべるの会」の開催月です。21日(日)はひきこもり編、28日(日)は不登校編。平塚市の会場とZOOMの併用開催ですので、ご家族の方でしたら全国どちらにお住まいでもご参加いただけます。
ご関心の方はリンク先の要項をご一読のうえ、末尾にリンクしてある告知ページからお申し込みまたはご紹介をお願いいたします。


不登校・ひきこもりに関する研修費に充て、相談支援のスキルアップと充実したメルマガ掲載文執筆に還元させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。