見出し画像

老眼ってトレーニングで治るんですか?

治ったらいいのですが、治らないんです。

老眼になると近くがみえにくくなりますが、近くにピントを合わせる毛様体筋という筋肉は、トレーニングして鍛えても、強くなるものではないからです。

手や足の筋肉は「骨格筋」で、この筋肉は年齢を重ねてからも筋トレをすると、太く強くなります。

それに対して、毛様体筋は「平滑筋」で、筋トレしても強くはならないんです。

また年齢を重ねることで水晶体が固くなることも原因です。水晶体がピントを合わせるレンズの役目を果たしているので、水晶体が固くなると、近くにピントをあわせにくくなります。

という訳で、眼科医の私がオススメする方法は、老眼を受け入れましょうということです。

老眼は60歳過ぎまで進みます。その年齢までは、どんどん近くがみえにくくなります。

老眼を受け入れて、モノに頼りましょう。今の時代はいいモノがあるんです。

老眼を助ける眼鏡の累進レンズや、コンタクトレンズによる老眼矯正は、「老眼でもう見えにくくなる」前に使い始めるのがおススメです。夕方になると近くが見えにくくなる、長い時間近くを見ているとピントが合わななってきたら、そのような眼鏡、コンタクトレンズを使ういいタイミングです。

というのは、これらの老眼に対応する眼鏡、コンタクトレンズは使い方にコツが必要なので、早いうちから使い始めた方が、うまく使いこなせる可能性が高くなります。
さらに老眼がすっかり進んでからだと、近くを見るための度数も上げないといけないので、その眼鏡、コンタクトレンズには、なかなか慣れにくいということもあります。

老眼対応の、メガネ、コンタクトレンズを使って、近くも快適に見えるようにして、後半の人生も楽しんでいきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?