見出し画像

楽器なんていつ始めてもいいし、いつ止めてもいい

北村です。
ギタリストです。

練習は主に朝。
ヘッドホンから音出ししていますし、生音もできるだけ小さくなるよう単音フレーズばかり取り組んでいますが、それでもうるさいと妻から叱られることがあります。ギンギンだぜ!

先日ネットサーフィンをしていたら、初めてギターを購入してから1年後も続けている人は1割みたいな記事を読みました。期間や割合は諸説あるんでしょうけど、体感的には頷ける話です。

私がギターを弾き始めたのは中1の時。兄から500円で譲ってもらったTokai 製(だったような)ストラトに始まり、やっぱり兄のお下がりのFender の変なギター(型名が分からない)を経て、最後はGibson のSG を自分で買いました。赤い内装の純正ハードケース、あれはうれしかったなあ。でも、色々こじらせて楽しくなくなっちゃって。手放しちゃった。SG 。せめて実家にでも置いときゃよかったのに…今となっては後の祭り。

ここまでが私のギター遍歴、第一期です。7年くらいか。他にも好きなこと色々あったけど、青春の2~3割はギターと共に過ごしたと言えるでしょうか。

その後は私、演劇にハマりこみまして。まぁ劇団を立ち上げたり、公演のたびに借金を増やしたり減らしたり、あれやこれやを経て今に至るわけですけど。その間も発作的に数万円のギターを買ってきてペケペケやったりはあったものの、続くようなことはなく。

齢四十も過ぎて数年経つと。仕事も子育ても楽しいし、正直もうこの先ギターに触ることなんてないんだろうなー、と思ってました。それが昨年ひょんなことから。またも兄のお下がりをもらうことに。

私のなかではモト冬樹さんのイメージが強かったSTEINBERGER 。軽くて24フレットあってアームまで付いていて。自分さえ頑張ればできないことは何もない、ように見えたんですよね。そんなわけないんですけど。

こうして第二期が始まりました。指は若い頃のようには動かないし、練習時間もたいして取れない。だけど、今は聴きたい曲もライブ映像も秒でアクセスできて、ほしいタブ譜だってだいたいネット上にあります(ソングスター最高)。しかも、ちょっとググればいろんなチュートリアル動画があって、めちゃめちゃ丁寧に教えてくれて。出戻りギタリスト(ほぼ初心者)になんて優しい世界なんだ!インターネット万歳!

バンドを始めた経緯はおいておきますが、池袋の狭いスタジオで初めて一曲あわせた時はもう、もう、身体に電気が走るってこういうことか、と。まだまだ楽しいことあるんだね、たまらないよねって。爆音を奏でる喜びを噛みしめました。

paranoidをやったんですよ。リリース当時のオジー、ふつうに美少年で見惚れます。

私たちのバン活はLINEグループで好きな曲を流しあったり、欲しい機材のことで相談したり、共有のウィッシュリストにやりたい曲を書き込んでいったりが中心で、スタジオで合わせるのは月1回きり。

今は楽しくて仕方がないけど、これが永久に続くわけもなく。また何かの拍子にギターを手放すことだってあるかもしれない。それでまた何十年かして、兄貴のお下がり貰ったりして。その時おまえはいったい幾つだよっていうね。お下がりっていうか、その時はもはや遺品だろうか。ちなみに兄は、私と違って今も昔もギター一筋うん十年の現役ジャズマンです。

そうか、こうして考えると環境の影響は大きいですね。仲間はいるのかいないのか、身近に機会をくれる誰かがいるのかいないのか。私がSG を手放した時は、確かに環境的にも精神的にもひとりぼっちでした。

私には息子が二人いますが、そのうち一人でもギターやりたい!とか言う日が来たらうれしいな。そしたら一緒に楽器屋さん行こう。でも、たとえ彼らが楽器を手にしたとして。それが一年も続かなくたって、文句を言わない父ちゃんでいたいものです。私もそうしてもらったので。

なんでもご縁というか、タイミングがあるわけで。兄のように休むことなく数十年ギターを弾き続けていたら今頃どうなっていただろうとか、そういうタラレバにはあまり意味がなくて。

今またギターをかき鳴らしている時間が楽しければそれでいいじゃないか。楽器なんていつ始めてもいいし、いつ止めてもいいんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?