見出し画像

多様性の時代に生まれたエンタメ傑作!

2021年10月期放送、ギャラクシー賞にも選出されたドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜は、多様性の時代に生きる全ての人へ贈る、ラブコメ×教養×人間ドラマの人生賛歌だ!

弱視の女の子とヤンキーの男の子が織りなす、恋と成長の物語

画像1

弱視の赤座ユキコ(杉咲花)と顔に大きな傷跡があるヤンキーの黒川森生(杉野遥亮)、全く別の世界で生きてきた2人は最悪の出会いから互いを知り、惹かれあい、影響しあっていく。出会いによって世界が広がり、挫折を経験しながら少しずつ成長していく2人の恋と人生の行方は!?
コメディもシリアスも、ときめきもしんどさも、世代のトップを走り続ける名優・杉咲花がユキコという役に真っ向から向き合い華麗に演じ、ブレイク候補最前線の杉野遥亮が馬鹿で真っ直ぐで温かい森生を真摯に演じる。2人の織りなす恋と成長の物語に岸谷五朗や奈緒、鈴木伸之、田辺桃子、細田佳央太、戸塚純貴ら周囲のキャラが関わり合い、物語をより一層彩っていく。マイノリティの悩みや辛さからも目を背けず、笑って泣けて気付かされる、多面的な魅力が詰まった作品だ。

観て学び、知って広がり、明日が変わる

画像2

あなたは弱視についてどのくらいご存知だろうか。弱視と言っても一人ひとり見え方が違う事(演出により実際にどのように見えているかを知ることもできる)、点字ブロックの種類とそれぞれの意味、知らない場所へ行く事の怖さ、映画館の音声ガイド、等々。ユキコを知るために自分で調べ、時には実体験をし、人に環境に思いを巡らせ、「知る」ために行動を起こす森生と同じように、本作を観る事で弱視について学ぶことが出来る。そして知ることにより世界は広がり、明日の意識や行動が変わっていく。点字ブロックや白杖を持っている方が以前よりも自分の視界に入るようになったのはこの作品で意識が変わったからだろう。「知らない」事を咎めず「知る」事の楽しさ素晴らしさを伝えてくれるとともに、自分の世界を広げてくれる作品となっている。

「普通」という言葉や枠組みが持つ凶器性と調和性

画像3

弱視で白杖を持って歩くユキコと顔には昔の喧嘩でできた大きな傷跡があるヤンキーの森生、本作のメイン2人は世間一般が抱く「普通」とは距離があるかもしれない。2人は「普通」という言葉や価値観に、時にダメージを受ける事も。「普通」という言葉は時に、その勝手に作られた枠組みから外れている人たちを傷つける。その一方、2人は「普通」という言葉に救われる事もある。自分では普通じゃないと思っていた事が他の人から見ると普通だった、それに気付き救われる。「普通」という言葉の持つ正と負の両面をしっかりと直視し「普通」を問い、枠組みで語るのではなく一人ひとりを尊重する事の大切さを真正面から伝えてくれる。

多様な価値観が顕在化された現代に捧げる、愛の人生賛歌

画像4

本作は登場人物の恋や挫折、成長を通して視聴者にも沢山の愛を伝えてくれている。知らない事があるのは当然、知らないことに出会ったときに「興味を持つ」「知ろうとする」事の尊さ、一人ひとりを尊重し、価値観を認め合う事の素晴らしさ。本作の主題歌、JUJUの『こたえあわせ』の1節、「答え合わせばかりする癖を笑ってくれた どれでもどれもが正解だよと」。周りや「普通」なんて関係ない、あなたが、誰もが素晴らしい。現代に生きる全ての人たちへ捧げる人生賛歌だ。ラブコメの多幸感、恋や出会いによって成長していくキャラクター達、弱視について学べるという教養の要素、視聴者へのメッセージ、様々な要素が絡み合い完成した「エンタメ傑作」となっている本作、あなたの世界を温かく広げ、照らしてくれるはずだ。

Text/せっきー

せっきープロフィール

Twitterドラマ実況者。年代ジャンル問わずドラマをチェックし、タイムリーかつ共感度の高いツイートが人気を博している。最近ではフォロワーと開催するスペース「ドラマ正解は一年後」「坂元裕二作品について語る会」なども好評。Twitter: @KO6IoFJdp7pjTab

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!