見出し画像

スリラードラマの話題作に新シーズン

心理サバイバル・スリラーの話題作『THE HEAD』の新シーズンがスタート。シーズン1同様、ネタバレ厳禁の本作の見どころを、いち早く解説する。

シーズン1のつづき、だけど

©Hulu Japan

エミー賞受賞のプロデューサー、ラン・テレムが製作総指揮を担当した、日欧共同製作の大型国際連続ドラマ『THE HEAD』。2020年6月に世界配信されるや否や、大きな話題を呼んだ心理サバイバル・スリラーだ。南極にある科学研究基地を舞台に繰り広げられる、謎が謎呼ぶ惨劇を描いた本作は、スピーディーな展開と死亡フラグが見えないのにどんどんと人が殺されていくスリルで人気を博した。そのシーズン2となる『THE HEAD』Season 2がシーズン1から2年の歳月を経て完成。シーズン1で生き残った数名のキャラクターが、新たな舞台で繰り広げられる惨劇に対峙する。シーズン1で誰が生き残るかが分かってしまうので、欲を言えばシーズン1を観ておいたほうがいいものの、ここから観てもすぐに作品世界に入ることができるので、未見という人もOK。

容赦なく続く不審死

©Hulu Japan

このシリーズの特色は、とにかくドンドコと人が死んでいくこと。シーズン1では第1話にして大量。冬の半年間、10名の越冬隊が残った南極科学研究基地ポラリス6は、春を迎えて隊員が戻った際に、そのうちの7名が遺体となっていたところから物語が始まった。シーズン2でもその「死」の勢いは止まることがない。ネタバレになってしまうので誰とは言えないのだが、第1話だけでもいきなり首無しの死体で発見される者が出たり、嫌疑をかけられたある者は自殺……などなど、複数名の死者が出てしまう。サバイバル系サスペンス・スリラー好きにとってはたまらない出だしに盛り上がることうけあいだ。どの不審死もネタバレ厳禁の独創性あり。観た人同士でシェアしたい。

舞台は大海原

©Hulu Japan

シーズン1は、雪と氷に閉ざされた南極基地が舞台だけに、狭い基地内での殺人などがメインとなっていた。が、シーズン2の舞台は大海原。ある科学者を中心とした科学者チームが、航行中の巨大貨物船の上で、温暖化から世界を救う画期的な研究をしていたところ、研究チームはもちろん、船員たちまでが死のターゲットになってしまう。貨物船内はもちろんだが、海のど真ん中というロケーションをうまく使ったトリックなどが盛り込まれている。また、シーズン1で生き残ったキャラクターの誰かが、貨物船の研究チームに対して工作しているのではないか、という疑惑も浮上するため、陸海でのドラマが展開。シーズン1よりも世界観が拡大しているの、本シーズン最大の特徴となっている。

山下智久に続く日本人キャストは福士蒼汰

©Hulu Japan

シーズン1では、研究者のアキ役として山下智久がキャスティングされたことが話題になった(観た人だけ分かることに、アキは最重要キャラの一人だった)。シーズン2にも日本人キャストが一名参加。それがコンピューター・エンジニア役のユウト役の福士蒼汰だ。ユウトは物語の最初から持ち前のIT知識を駆使して、物語の主軸に食い込んでいく役どころ(アニメおたくという設定なのか、デスクトップはアニメキャラ)。もともと語学堪能だった福士が初めて挑む英語の芝居は、新鮮かつ見事。他のキャストとのからみも自然で、いつ死がやってくるかわからない恐怖を演じきっている。また、シーズン1でエンディング・テーマ曲「Nights Cold」を提供した山下は、今シーズンでも「DANCING IN A DREAM」を書き下ろしている。

Text/よしひろまさみち

▼『THE HEAD』Season2はこちらから

よしひろまさみち プロフィール
映画ライター。音楽誌、情報誌、女性誌の編集部を経てフリーに。『sweet』『otona MUSE』のカルチャーページ編集・執筆のほか、雑誌、Webでのインタビュー&レビュー連載多数。日本テレビ系『スッキリ』での月一映画紹介のほか、テレビ、ラジオ、イベントにも出演。Twitter:@hannysroom

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!