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エッセイ、よみきりばなし

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よみきりばなしは6割エッセイ、4割おもいつきです笑 自分の中ではエッセイとフィクションの境界線があまりないため同じマガジンにまとめています。 この世はフィクション☆
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#しみじみ

【エッセイ】深夜ー自己という枠を越えた感性を感じるー

深夜一時を過ぎていた。 え〜、もうこんな時間かあ。 なんかたまらんなあ。 妙な寂寥感と、 静かで自分の奥深くから感じる「これだな」と言う感情。 「これが自分のありのままの姿の一部なのだなあ」と。 つまり、 なんだか今の状態が自分に「あてはまってる」「しっくりくる」というような生の状態。 余計な感情から遠く離れ、心はここにないかのよう。 深夜だから感じる特別な静寂。 静寂の中で見出す自己。 だから深夜はやめられない。 この夜ならではの静けさが、好ましいのだ。 こんな

【エッセイ】ちっちゃいありんこをじっとみつめてみた

ちっちゃいありんこが、 家の前のコンクリートをいっぴきであるいていた。 とってもちっちゃくて、かわいい。 じっとみつめてみる。 こんにちは… ありんこは、わたしのあいさつにも無心であるいている。 いっそうのことじっとみつめてみる。 すると、 彼は触覚を使ってなにかを感知しながらあるいていることがわかった。 触覚が彼のセンサーなのだろう。 にんげんでいう直感なんだろうなあと感じられた。 彼は、この触覚をたよりに生きている。 すごいなあ、 わたしはまだ直感オン

棚にあげて氣づきあり〜咖啡の香りとともに〜

私は毎朝同じ豆のコーヒーをいれる なぜか毎日味が全然ちがう ある日は酸味が強く ある日は渋みが強かったり ある日はけっこう苦かったりする たまにとってもおいしいのが入ったりする しかし面白いもので 単品でのむにはつらいものでも 何か特定の 「おやつ!」 とあわせてのむとベストマッチだったりする ふむふむ 学びあり、とぴーんとくる 人間も毎日いれるコーヒーのようにコンディションは異なるし どんな人だってかならずぴったりくる仲間、場所はある そうだよなあ そんなこ

【読切小説】ほのかに流れ込む慕情〜中央分離帯にて〜

ここの信号は長い。 待ち時間も長いし、物理的距離も長い。 しかし、渡れる時間は短いという不条理な信号だ。 私はゆったりと周りを見渡しながら歩くのが好きだ。 今日はその信号もうっかりゆったり渡っていたら、 まだ半分も渡っていないのにもう信号が点滅し始めた。 あっ。焦らされるのいやだなあ。 小走りで真ん中のシマまで移動する。 シマ、といってもそれは私や私の周りがそう言っているだけで本当の名前は知らないのだが、信号の物理的距離が長く、かつ渡れる時間の短い信号にはよくある場所