好きを掘る7-のコピー-2

「好き」を掘る

こんにちは。minneでデザイナーをやっているkihaです。

実は、ここ1、2年ほど悩んでいることがあります。
それは「言語化」がめちゃくちゃ苦手ということ…。

苦手意識は社会人になる前からうっすらとあり、素敵な文章を書く人に出会うたびに、わたしもいつかやらねば…と思いつつ今まで何もできていませんでした。

言語化が必要だと思ったきっかけ

そんななか昨年アラサーに突入し、デザイナーとしてもう一段成長するにはどうしたらいいんだろうなと社内の先輩デザイナー達を観察していたところ
定期的にブログを書いたりLTをしたり、みなさん何かしら文章を書いて発表していることに気づきました。
さらにそういう人々はslackの発言や制作物へのフィードバックも理路整然としていてわかりやすい。
感情がゆさぶられるような詩を書いていたりもする。
デザイナーってもしかして、絵だけじゃなくて文章も鍛えていかなければいけないのかも…??

ようやく言語化と向き合う時がきたことが言葉ではなく心で理解できたわたしは、言語化に繋がるようなことを何かしらやるぞというひそかな野望を抱いて2018年下半期を過ごしたのでした。

今回は、半年の間どんなことをやったのか、どんな効果があったのかについての話をします。

「好き」を掘るトレーニング

苦手なことをやるのは本当にストレスがたまります。
そこで「言語化しなくてはならない」を「言語化したい」に置き換えられる場面はないか…と考えたのが、自分の好きなものを説明するということでした。
幸い、好きなものならたくさんあります。
日常生活の中で自分はなぜこれが「好き」なのか?という自問自答や他者との議論を頻繁にして、出てきた単語や文章を忘れずにノートやスマホのメモなどに書くようにしました。

そしてこの一連の作業を『「好き」を掘る』と命名しました。
「好き」という名前の岩をツルハシやハンマーで掘っていき、中から岩に隠された鉱石=「好きを構成している言葉」を見つけるイメージです。

これをやると、以前は好きという言葉しかなかったところに「色が美しい」「現実味のあるキャラクター設定」「音楽の良さ」etc.という言葉が見つかります。
「色が美しい」ももっと掘っていくことで、より詳細に言い表すことができます。
人によって差がある感情というものを言葉に落とし込むことで、◯◯をただ好き!というよりも説得力があり、多くの人に魅力を理解してもらえる説明ができるようになりました。

トレーニングの効果

このトレーニングを半年続けた結果、好きなものについて発信するのが上手になりました。
常日頃からなんで好きなんだろうなと考えているおかげで、言葉のレパートリーが豊富になり、興味をもってもらえる回数も増えた気がします。
自分の説明では魅力が伝わらなくて歯がゆい思いをすることが多かったので、これはとても嬉しかったです。

好きなもののことだけなく、仕事の面でもちょっと変化がありました。

第一に、やったことを説明するのが上手になりました。
面談中に「評価資料わかりやすくなったね」と上司に言われて気づいたのですが、たしかに半年前の自分の書く文章を見返すと、ぼんわりとした説明が多く結局どういうこと?という部分が多々ありました。
なぜ?を頻繁に考える特訓をしていることで、前よりも言葉がスルスル出てくるようになったので、文を書くこと自体にも抵抗がなくなってきたように思います。

第二に、レビューがしやすくなりました。
仕事で他デザイナーの作ったものをレビューする時に、以前はなにか変なことはわかる、でもどう言ったらいいのだろう…となっていたのが、細かい原因を見つけられるようになり、納得してもらいやすく建設的なフィードバックを返せるようになりました。
実際に「こまかい部分まできちんと見てくれている」と感想ももらい、ニュアンスが伝わりやすい口頭ではなく文章のみの時も、自分の言葉に自信がもてるようになりました。

まとめ

苦手な言語化のとっかかりとして好きなものを深掘りすることを習慣づけたら、良い効果が色々あったという話でした。
好き以外にも抱いた感情に対して「それはなぜ??」を何回か繰り返していくうちに、インプットされたものに対して思考する癖がつきましたし、それをアウトプットするのも前より楽になりました。

ある日突然矢に貫かれて驚異的な言語化能力が発現してくれればよいのですが、現実は非情であるので、筋トレのように地道に続けて力がつくのを待つほかに道はないのかなと思います。
同じように悩んでいる人がいたら、言語化能力向上のいち手段として 『「好き」を掘る』 を試してもらえたら幸いです。

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