『ボディ・ターゲット』午後ローを予習ァンダム。

 本日の午後ローは『ボディ・ターゲット』。一九九三年の作品。
 ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演のアクション映画と聞いて、ああ午後ローでよくやってるアレね、ヴァンダミングアクションでしょ、と思った方もいるだろうけれど、まあちょっと落ち着いて欲しい。たしかに九〇年代前半はヴァンダムがノリノリだった時代かも知れないが、本作はちょっと毛色が違った作品となっている。邦題が似ているせいで『ハード・ターゲット』と混同されたり、その影に隠れてしまったりもするが、ヴァンダムのまた別の魅力が発見できる作品なんだよ。
 まず今回のヴァンダムはいきなり囚人護送車で移送されているのよ。そこにポンティアックトランザムだかファイアーバードだかのマッスルカーに乗ったヴァンダムの仲間が追っかけてきて護送車を事故らせる。ヴァンダムは脱走に成功するが、仲間は撃たれて死んでしまう。そんで逃亡中のヴァンダムがひとりの少年と出会うわけさ。その少年は父親を亡くし母親と農場を営んでいるわけだけど、だいたいそういう土地は地元の地主だか有力者が狙っていて嫌がらせをされたりするわけで、そうなるとヴァンダムがあらわれて撃退したりして、そんで有力者と地元民との争いに巻き込まれたりするわけさ。あとはさ、わかるだろ? そういうこと。
 ほとんど古典的西部劇のようなプロットだとは思うんだけど、それがまた格好いい。双子になったり未来からやって来たり超人兵士になったりと、この時期ヴァリエーションに富んでいたヴァンダムが本作ではバリバリ硬派な役を演じていてけっこう好感を持った記憶がある。それだけにイマイチ日の当たらない作品だとは思うので、これを機に再評価されるといいね。
 監督はロバート・ハーモン。みんな大好き『ヒッチャー』の監督さんですね。つい最近も見返したんだけど、やっぱ面白格好いいですわ。大好き。
 本作でも砂埃舞う田舎道を車が爆走とか、バイクで疾走とか、迫力あるチェイスシーン、カークラッシュシーンが随所にあって好き。
 共演はロザンナ・アークエット。『グランブルー』が有名だろうか。妹さんがパトリシア・アークエットだったり。俳優家族なのね。
 俳優家族といえば少年役はキーラン・カルキン。『ホームアローン』でペプシ飲んでたあの子。
 敵役には『リーサルウエポン2』のジョス・アクランドと『羊たちの沈黙』のテッド・レヴィン。こいつは悪いぜ〜ゲロ以下の匂いがプンプンするぜえ〜って台詞がぴったりくる完璧な悪役。最高。
 そんなわけでよろしく。

 

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