『陰謀のスプレマシー』 午後ローを予習する。

 本日の午後ローは『陰謀のスプレマシー』。未見。アメリカ、カナダ、ベルギー制作の二〇一二年の作品。
 おや、この顎の立派な俳優は誰だろう、そうです、主演を務めるアーロン・エッカートです。午後ローには、先週に続いての登場。共演はオルガ・キュリレンコさん。
 本作はベルギーを舞台にした、国際的アクションスリラー。父娘ふたりでベルギーに暮らす普通の父親である主人公が、突然娘ともども誘拐され、ピンチかと思いきや犯人を撃退、殺害してしまう。そうです、実はこの父親、元CIAの暗殺者だったんです。そこから政府の陰謀に巻き込まれ……。そんな感じのあらすじだろうか。
 そこまでを読んで、なにか既視感が。リーアム・ニーソンの『96時間』(二〇〇八年)を思い出す。異国の地で、娘が誘拐され、それであちらもたしか元CIA職員でしたよね。
 しかしCIAってそんなに恐ろしい集団なんでしょうか。少なくとも映画の中では、暗殺専門の部署があり、ひっきりなしに人を殺しているイメージがある。そろそろCIAは映画業界に対し風評被害を訴えてもいいかも知れないが、そういう話を聞かないのは、ある程度事実も含まれると認めているのか。
 なんてな。
 さえない中年のおじさん、お父さんが実は最強の殺し屋で、みたいな展開は最近だと『Mr.ノーバディ』が面白かった。『イコライザー』も好き。
 しかしそういった作品は、常日頃まわりから見下されている中年から初老男性(僕のことです)には受けるだろうが、女性や、他の世代の目にはどう映っているのか気になるところではある。
 家族を守るためにお父さん頑張っちゃうぞ、ぐらいならまだ微笑ましいが、見ず知らずの少女を助けるために奮闘する、だと少し、こう素直に受け取られづらいのではと思ってしまう。いや面白いんですけどね『イコライザー』は。デンゼル・ワシントンの隠そうとしても隠しきれない清潔感が、そういったひねくれた見方を相殺している作品だと思う。そして『イコライザー2』はその辺を考慮して、少年を助ける話にしたのかも知れない。
 などとまったく関係ないことを、ぼんやり考えながら、本作を楽しみにしよう。
 
 

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