『パニッシャー』午後ローを復讐もとい予習する。

 本日の午後ローは『パニッシャー』。今やMCUシリーズが世界的にヒットしメジャーなコンテンツとなったマーベルアメコミヒーローの中でもかなりの異端児的存在、スーパーパワーはないものの復讐心だけはスーパーなダークヒーロー、パニッシャーの映画化作品である。二〇〇四年の作品。
 パニッシャーは本作の前にも後にも映画化されているが、なかなか人気が定着していないイメージがある。個人的にはトーマス・ジェーンの演じる正当派ベビーフェイスな本作はけっこう好きだったりする。もちろんドラマ版やウォーゾーンの厳つい感じも好きだけどね。ドルフ・ラングレン? まずはスカルマークのシャツを着てこい。話はそれからだ。
 
 あらすじ
 FBI捜査官フランク・キャッスルは暗黒街の大物ハワード・セイントの怒りを買い、家族を殺される。ひとり生き残ったフランクは、法の手を借りずに悪人らを裁くパニッシャーとして、戦いに身を投じていく。そんな感じ。
 
 原作コミックとはまた違った設定で面白い。作品のテーマとしては復讐があると思うが、その裏にあるのが家族愛だったりするので、それもなかなか面白い。悪人であるはずのセイントもまた家族を愛する一家の長であり、その復讐のためにフランクの家族を殺害するとか、そういう構造が巧みだなあと感じるよ。パニッシャーとなったフランクも、ただ力押しで殺しまくるわけでもなく、相手の組織を疑心暗鬼に陥らせ同士討ちをさせたりと、なかなかに性格の悪さも感じさせて好き。その一方で、隠れ家のアパートに住む住人らとの交流などもあり、いいないいな人間っていいなってなるよ。

 ちなみに悪役ハワード・セイント役にはジョン・トラボルタ。良い。他にロイ・シャイダーが出ていたりする。渋い。良い。あとはねプロレスラーのケビン・ナッシュも大暴れするので好きな人にはたまらんね。

 実は本作でパニッシャーを演じたトム・ジェーンは二〇一二年に再び同役に復帰している。コインランドリーに立ち寄ったフランクがスカルマークのシャツを洗う途中で悪漢を退治する『THE PUNISHER: Dirty Laundry』という自主製作短編映画なのかな? である。こちらはいまでもYOUTUBEで視聴できるんじゃないかな。午後ロー放送版で残酷描写が満足できなかった方には、ぜひぜひ。