『ボーン・コレクター』午後ローを予習収集。

 一時期、邦画界隈では漫画原作の実写化が流行っていたけれど、そのたびに原作改変だの改悪だので炎上してたなあ、と。まあいまだにその流れは続いていて人気タイトルが実写化されるたびに戦々恐々するファンは多いだろうと思う。直近だと『ゴールデンカムイ』とかですかね。
 なんでそんなことを書いているかというと、本日の午後ローが『ボーン・コレクター』だからですね。一九九九年の作品。
 原作はベストセラー作家ジェフリー・ディーヴァーによる、四肢麻痺の名探偵リンカーン・ライムが登場する人気シリーズ第一作。ただし映画化するにあたって、なかなかの改変がされているので、原作が好きな方は覚悟したほうがいいぜ。僕は原作シリーズが好きで派生シリーズも追っかけたりしている口だが覚悟が足りなかった自覚があるぜ。だから注意しておくぜ。
 
 あらすじ
 とある事件の捜査中に事故に遭い、四肢麻痺患者となった元科学捜査官リンカーン・ライムは尊厳死を望んでいたが、ニューヨークで起こった凶悪殺人事件の助言を求められる。遺体の第一発見者であるアメリア巡査は、身動きの取れないライムの助手として事件の捜査に関わることに。てな感じ。

 まずリンカーン・ライム役にデンゼル・ワシントンというのが、大方の人間からすれば予想外のキャスティングだったのでは、と思う。
 そして元モデルにして慢性関節炎持ちのスピード狂アメリア・サックス巡査はなぜかアメリア・ドナヒーと名前が変更されアンジェリーナ・ジョリーが演じることに。ビジュアルイメージ的にはあってると思うが、なぜ名前が変わったのか疑問であったりもする。
 そして原作シリーズではおなじみの登場人物たちがごっそり消され、オリジナルの人物へと置き換わっていたりする。ここら辺で、原作ファンは「あ、これシリーズとして続ける気はないな」と勘づくのである(まあ九九年だとシリーズ第二作までしか発表されていなかったのでこれほど長く続くとは思ってなかったのだろう)。そして肝心のお話も大まかな筋以外はかなり別物に近い感じである。タイトルと主人公の名前が同じのちょっと違う世界線のお話として楽しめる器がなければ、即死するかも知れない。
 もちろん、原作から大きく変更されていても映画として完成されていれば、さほど文句も出なかったのだろう。そういった例は過去にも多々ある。
 『シャイニング』とかね。そんで本作がそうだったかというと、ごにょごにょといったところ。ただ二〇〇四年にヒットした『ソウ』に先駆けて陰惨かつグロテスクな殺人方法を売りにしていた点は評価できると思う。
 
 
 

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