『エントラップメント』午後ローを予習する。

 本日の午後ローは『エントラップメント』。一九九九年の作品。
 ある日レンブラントの名画がセキュリティー厳重なニューヨークのビルから盗まれた。保険会社の調査員ジンは、その手口から美術品専門の泥棒マックの仕業と断定し、彼を罠にかけようと接近する。はたしてどちらが相手を騙しているのか。そんな感じのサスペンス。
 ショーン・コネリーが稀代の大泥棒マック役を演じている。当時は六九歳か。まだまだ現役感が凄いよ。
 相手役はキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。今となってはほとんど見かけなくなった、赤外線だかレーザー光線だかがビシバシ走っているセキュリティシステムをぴっちりした衣装でかいくぐるシーンが印象的。当時はまだ目新しかったはず。
 ちなみにふたりはこの作品でゴールデンラズベリー賞の最低スクリーンカップル賞にノミネートされている。惜しくも受賞は逃した。
 他にはヴィング・レイムスも共演。いつもの感じの彼である。

 さて、本作は老練な怪盗に美女という組み合わせ。国際色も豊かで、舞台は近代的なビルや、古風な城郭などバリエーションも多彩。豪華キャストが出演するドキドキワクワクのエンターテイメントムービーのはずだった。
 しかし時期的に見ると、一九九九年にしてはかなり落ち着いた感じの作品になってしまったのではと勝手に思っている。さらに公開時期がちょうど『マトリックス』と『スターウォーズエピソード1』に挟まれるような格好で、話題作に埋もれてしまい当時は印象にも残らなかった記憶がある。
 作品の出来とは別に、そういった要因であまり評価されない映画も、けっこうあると思うんだよね。今観ると、たぶんちゃんと面白いと思う。
 たぶん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?