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モネ 連作の情景(上野の森美術館)

  1. 印象派以前のモネ

  2. 印象派の画家、モネ

  3. テーマへの集中

  4. 連作の画家、モネ

  5. 「睡蓮」とジヴェルニーの庭

展覧会の構成は以上の通り。

第1章 印象派以前のモネ

フライヤーにも掲載されている初来日の「昼食」。印象派以降は風景画家の印象が強いモネなので、人物が描かれているのが新鮮でよかった。

第2章 印象派の画家、モネ

ヨーロッパで風景画というジャンルが成立したのが17世紀のこと。
その後、鉄道によって郊外への移動が容易になったとか、絵の具を戸外へ持ち出せるようになったという事情で、ピクチャレスな風景画が多く描かれるようになる。

印象派以前と比べると、塗りがざっくりになっているのがわかっていい。特に「ヴェトゥイユの教会」と「ザーン川の岸辺の家々」だと水面に映る建物の表現が全然違うという変化がわかるので、ほほぉ~となった。

第3章 テーマへの集中

同じ場所に何度も訪れて季節、天候、時刻ごとの変化を描く。
絵の風景としては海が多いと思った。それぞれの季節によって波の高さが変わったり、空の色、それに反映される海の色、太陽の光、海はそういう変化が大きくてわかりやすいのかもしれない。

第4章 連作の画家、モネ

「積みわら」が好きなため印象に残っている。
光の表現を重視することで、造形がどんどんぼんやりしていくのがいい。
特に「積みわら、雪の効果」が好きだ。雪で色彩がぐっと減ること、薄く広く空にかかる曇り雲に冬の弱い光が透過して景色全体がピンクがかったグレーになっているように見える。ただ影の角度、長さ、あと濃さから夕暮れか朝焼けの強めの光が積みわらを照らしているようにも見えて、時間の多重性を感じた。

第5章 「睡蓮」とジヴェルニーの庭

このブロックは撮影OKだったので、写真を撮っている人が多かった。(何枚かは撮影禁止) 私は、冬や雪を描いた絵が好きなので「ジヴェルニーの風景、雪の効果」はスマホで写真を撮った。

モネは睡蓮を何枚も描いているけれど、わりとわかりやすい睡蓮が展示してあったと思う。晩年のやつはかなりぼやぼやしていたと記憶しているので。
あと、企画展でなくてモネの睡蓮を見にいくとすれば、京都にある大山崎山荘美術館へまた行きたい。

おわりに

印象派の展覧会へ行くと、美の主観主義とピクチャレス(絵になる風景)という今では当たり前に感じている概念を丁寧に捉えなおすことができる。
自分が美しいと思うモノ、景色、光、それらを切り取って表現する。今ではみんなが気軽に写真を撮ることでそれらを実現できるけど、そこにもやっぱり自分が感じたこの情景の見えかたをどうやって人に伝えるか、写真を加工することでそれぞれ工夫しているように見える。

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