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【あややノート】第21回 まなびと対話について

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。あっという間に8月が終わり、真っ黒になった子どもたちがランドセルを背負って学校に通う姿が見られるようになりました。

今回は、HUG for ALLで大切にしたいと思っている「まなび」と「対話」について、最近考えていることをシェアしてみたいなと思います。

「まなびって何だろう?」

「学んだことの証は、ただ一つで、何かが変わることである。」
教育学者の林竹二先生の言葉。私はこれがすごく好きです。

学びとはいったい何なのだろう。
「まなびクエスト」に取り組む中で、クエストフレンドのみんなも、私自身も、いつも直面する問いなのですが、「何かが変わること」とシンプルに捉えると、とてもすっきりする気がしています。

・何か一つ、新しい言葉の意味を知った。
・できなかった計算ができるようになった。

このような変化は比較的「まなび」として捉えやすいような気がします。私の中に根強く残る「テストで高得点をとる=良いこと」という価値観からはつい、このような変化があることを期待してしまうところもあるのですが、きっと「まなび」って、もっともっと多様でいいんだと思うのです。(既存の自分の価値観からの脱却はもう何年も続けているチャレンジです。簡単ではないけど楽しい…!)

・学校で何をしたかを、初めて話した。
・クエストフレンドの名前を、初めて呼んだ。
・「勉強やりたくない」と初めて言った。

例えばこんな変化。きっとこれも、子どもたちの中に何かがあって起きた変化だと思えば、それ自体が子どもにとっての学びなのではないかと思うのです。

学校であったことを話すには、何があったかを自分の中で咀嚼して、自分なりにまとめて、言葉にすることが必要なんですよね。これまで話さなかったことを話せるようになること。これは一つの大きな学びなんじゃないかなと思います。

クエストフレンドの名前を呼ぶのは、最初はきっとドキドキするはず。「何度も会ってもなかなか名前を呼んでもらえない」と、私も悩んだことがあるのですが、子どもにとっては「名前を呼ぶ」ってたぶん特別なことなんですよね。勇気を出してクエストフレンドの名前を呼ぶこと・それに相手が応えること。それって子どもの人生にとってすごく大きな学びで、誰かを頼るための第一歩になるんじゃないかな…と思います。

これまで「勉強やろう」と言ったら「わかった」と言っていた子が「今日は勉強やりたくない」という。学びとは逆のようにも思えますが、言われるままにならないこと・自分の意志をしっかり伝えてみることを、その子にとっての「すごく大きな挑戦」だととらえると、とても大事な学びの体験なのではないかと思います。

こんなふうに、子どもたち一人ひとりの姿の変化を捉えると、そこにたくさんの学びがあることに気づきます。それが私がHUG for ALLで実現したい「学び」の在り方なのかなぁと、最近改めて考えています。

「対話って何だろう?」

もうひとつ、私がこだわりたいのが「対話」です。「まなびクエスト」「はたちクエスト」の軸となっている「対話」。最近ここにちょっとこだわりたくなってきました。

そのきっかけは、平田オリザさんの本からでした。

この内容、改めて見るとすごくすごく大事なことが含まれているように思います。「対話」は「お互いが"変わること"」が前提。そう考えると、対話=まなびになるとも言えそうです。

そしてもうひとつのポイントは「お互いが」ということ。ここが私としてはすごくはっとしたところでした。

私たちは子どもと向き合うときにどこかで「子どもを変えよう」と思っていないだろうか。「子どもとの対話を通して自分も変わろう」という思いで子どもたちと向き合えているだろうか。大人が何も変わらなければ、子どもとの時間は「対話」ではなく「指導」や「議論」になってしまうのではないだろうか…?

この問いに対する答えは、まだ私の中でも探しているところですが、これからの「クエストプログラム」を考える上ですごくすごく大事なポイントなような気がしています。

さいごに

こうやって考えていくと、HUG for ALLとしてチャレンジしたいこと・やってみたいことは、本当にまだまだあるなぁと思います。

「学び」という答えのない問いに向き合いながら、とにかく目の前の子どもの姿からさまざまなことを考えながら、これからも一歩一歩前に進んでいきたいと思います。

引き続き、私たちの活動を応援いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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